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ドラゴンの加護ありて   作者: 如月マルコ
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〜したい事とすべき事と〜



俺は悩んでいた。

宿屋のベッドに横になると、今日会ったゲラスから告げられた事実や史実を思い出し、物思いにふける。




研究室での事。


「まず、何から聞きてぇ?」


と、聞かれたので正直に「帰る方法は?」と答えた。

だが、カッパの研究者ゲラスは顔を横に振ると「それは1番最後だぁ」と返してくる。


「そうだなぁ…まずオメェさんにこの世界の事を話そうがな」


その言葉に心の中で「いや、なら聞くなよ」と返すが口には出さない。

当然、それくらいには大人なのだ。


「まぁんず、この世界に生きる存在は皆、神の加護を受けているのは知ってるべなぁ?」


俺は頷く。


「その神様達は今は伝説の存在となってしまってとるが、大昔には人の共に暮らしていたと書物には記されとる。この大地が魔物の脅威きょういさらされた時、あのグリムガルのダンジョンや、他の魔物が現れる場所場所に降り立ち、戦いの加護を授けてくれだと。だがある時からその姿は忽然こつぜんと消えたらすぃ」


ゲラスは1番言葉を切り、椅子に腰かけた。


「その際に各地の巨大ダンジョンには高い塔が建ち、ダンジョンから限りなく湧いて出てくる魔物を抑えこんだんだそうだなぁ」


ゲラスはこちらにも椅子を勧めてくる。


「まだ神様達がいた頃、生まれたのはオメェが着けてるそのステイタグだぁ、そいつでその人間がどれほどの敵と戦えるかを教えたのだどか」


俺は首に下げている銀のタグを取り出し眺める。


「次にドラゴンだが、まさかドラゴンの加護を得る人間が現れるなんてなぁ…そもそも神様以外からの加護なんて聞いたこともねぇがらなぁ、まぁドラゴンの性質や機能なんかは解明されてるからその辺は教えといてやぁんる」


これは俺の竜魔法の為にもしっかり聞いておいた方がいいと、思い身を乗り出す。

続けてゲラスがドラゴンの構造や食事、排泄に至るまで細かく教えてくれた。

翼に関しては俺の思った通りだったが、食事に、関しては驚かされた。


ドラゴンは動物を食べないそうだ。

食べるのは木や岩などの大地から作られし物で、人里を襲う場合はその建物などが目的らしい。


「それからぁ、これも気になるだろうから教えとくが、この世界にはオメェみたいな異世界人が稀に現れていたそうだぁ。一説によると獣人やエルフ、ドワーフや小人族リトルリーン、つまり人間以外の種族は大昔異世界からやってきたって言う話もあるくらいだがらなぁ」


「私達も!?」


その言葉にアリサも俺と同様に驚いてしまう。

どうやらアリサにも知らない事があるらしい。


「まぁ今となっては、長く交際してきてるがらなぁ、もう異世界人とは呼ばれる事はねぇけどなぁ」


ゲラスののんびりとした口調がため息の様に吐き出された。


「今いる確認されてる異世界人は3人おる。だが、そのどいつもが国に雇われているらしい。オメェはどうするのがなぁ?」


俺はその言葉に返事を返せなかった。

国に仕えるなど考えた事もなかったからだ。

ただ俺は今は傭兵団【六天破軍】のメンバーなので、似たようなものなのかも知れない。


「今んとこはこんなもんだぁなぁ。じゃ最後にオメェも帰せるかも知れねぇ存在だが、、先に言った超越存在ちょうえつそんざい、つまり【神様】に聞くしかない」


【神様】


それは俺も少し思った事だ。神ならば知っていても何も不思議はないと。

加護なるものがあるのだから存在しているのだろうし、会えるはずだと。


だが、アリサから今はこの世界には存在していないと告げられ、可能性から排除していたのだ。


だが、先程自分の口から「いない」と言ったカッパ男は今度は「いる」と言う。

その言葉に「一体どう言う事だ?」、と俺は聞く。

それはアリサも同じく様で驚きを隠せない様子だった。


「確かに、この世界に神様はいねぇ。なら話は簡単だぁ、この世界にいないのなら、いる世界に会いに行けばいい。オイラ達この世界か生まれた者には行けねぇが、異世界から来た者ならば可能性はある、とオイラは思ってる」


「それはどこに?」


「そりゃオメェ!神様って言ったらあそこしかねぇべな!…あの世だぁ!」


カッパの研究者はその顔と同じく平べったい手で天を指差して告げてくる。

俺はただ首を傾げるしかなかった。






天空スカイへの掛橋ツリー


首を傾げる俺にカッパの研究者、ゲラスはそこに行けば生きたままあの世に行ける道があるという。


俺は宿屋のベッドに横になりながら、これからどうするかを考えている。


スカイツリーへの道は長く険しい、その上帰って来られるかわからない、とゲラスは言った。


ならまだその時じゃないのかも知れない。

ララ団長やこの世界で俺を助けたり導いたりしてくれた人達に、恩返しもせずに帰る訳にはいかないのだ。


それに今も有効かわからないが、王女マリアとのダンジョン最深部への約束も残っている。


帰る訳にはいかなかった。


そのマリアとは未だにちゃんと会えていない、謁見の間では顔は見れたが、直にある事は許されていないらしく、何をどう言っても会わせてもらえなかったのだ。


仕方ないく、俺とアリサは王城を後にして城下町の宿屋インクレディブルに戻って来ている。


アリサには明日までにどうするか決めると言ってあるので、俺は今悩んでいたのだった。


だが、時間は待ってくれる事はない。

朝日が昇るまで俺は目を閉じる事が出来なかった。


そして気付けば日が昇る。

朝方になってから訪れる眠気を振り払う為に冷たい水で顔を洗う。

すでに心は決まっていた、俺は自分のこれからする事告げるべく、宿をでる。

宿の入り口ではすでにアリサが待っていた。

エピローグからの次に繋がるお話です!

日常回もはさみたいなぁー

とは思ってますが、どうなるか?


よろしくお願いです!

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