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ドラゴンの加護ありて   作者: 如月マルコ
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〜転移と出会いと〜

初めまして如月マルコです。

この小説が初めて書く作品になるんですが、楽しめるものになる様に頑張っていきたいなーと、思ってます。

異世界転移で最強ではないにしろ、強い力を得た大人主人公が活躍するお話を考えています。

よろしく!!



ずっと願っていた、ここでない場所、今でない時、非現実的な世界を。

けど、それはあり得ないとこ。

ただ、この普通の世界で年をとり、死んでいく。

それが当たり前だとわかっていた。


もうすでにいい大人、いい加減夢を見ないで現実を見て生きていかなくてはならないと思っている。

今は芝居をしながらアルバイト生活、毎年年収200万に届かない貧乏役者。


そろそろ、潮時、そう思っていた。


今日もバイトの仕事の帰り、いつも通り車で家に向かっている最中だ。


余談だが、俺は仕事終わりは眠くなる体質だ。

いや、ほとんどの人はそうだと思う、高速道路のような景色の変わらない一本道は特に。


その日も、例にもれず俺は眠い目を擦りながら、あるいは頭を叩きながら運転していた。

もちろん、SAで少しでも寝れば違うのはわかっているが、なるべく早く帰りたいと言う思いがあったのだ。


それに今まで、眠くなっても事故は1度も起こしてはいなかったと言うのもある。

だから、俺は油断していた。


丁度太陽が山の向こう側へ隠れて行き、空と大地が溶け合い、区別がつきづらくなる時間帯。



それは、起きた。


目の前を走っていたトラックが突然蛇行運転をしだし、次の瞬間、跳ねたのだ。

縁石に乗り上げたとわかる頃には、もう目の前、避けられはしないと理解してしまった。


俺はうつらうつらとしていて、そもそもブレーキすら踏めなかった、いや、本当の直前には踏んでいたかも知れないが、少なくとも事故に気付いたのはトラックが横転した時の爆音によってだ。


走馬灯は浮かんでこなかった。


ただ、時間がやけに遅く感じたのは覚えている、こう言う緊急時はスローモーションに見えると言う話は本当だったのか、と場違いな感想を抱いていたほどだ。

俺は目を閉じる事も出来ずにただ、近付いていくトラックの背を眺めていた。


自分の車の鼻先がトラックに当たる、正にその時、光が爆発したのだ。


衝撃はなく、ただひたすらに眩しい。

自分の姿が自分で見えなくなるほどの光。


けたたましい音を立ててブレーキが鳴った。


砂利道で急ブレーキを掛けたような擦る音が鳴り響く。

衝撃、運転席のすぐ横で何かが爆発したように感じた。


どうやら車体の右側がトラックにぶつかったと思って俺は急いで車の外に出ようとする。

運転席側は開くわけがないので、助手席側から、が、まだ目が見えない。


パニックになった、慌てて動くが身体が動かない。

シートベルトをしている、と言う事に思い至るまでたっぷり10秒はあったように思う。


シートベルトを外すと、自分にBe coolと何度も呼びかける。

劇団仲間がよく使っていた口癖だ。


まだ目は見えないが、ずっと乗っている愛車だ、手探りで助手席から外にでる。

すぐに、足がもつれて倒れてしまったが、這うようにして車から離れた。

いつ爆発するとも知れないと思っていたからだ。


だが、いつまでたっても爆発音はしないし、未だに目が見えてこない。

ずっと白い光が目に映っている。

俺は今度は知らずにBe coolと呟いていた。


「ほぉ、まこと、珍しい物事よ」


その時だ、声が聞こえたのは。

こんな大事故なのに何故こんなに静かなのかと思っていた俺は自然と声のした方に向き直ろうとした。

が、目は見えないし、声も不思議と頭に響いたように感じた。

俺はとっさに。


「どこですか!?」と尋ねた。


が、今度は声が出なかった、さっきまでは確かに喋れてはいたはずなのに。

自分の手を喉に持っていくが、なんの違和感もない、何度も喋ろうとするが、変わらず音にはならなかった。


そうこうしていると、再び声が響いた。


「声が出ぬか?…目も見えぬようだな」


俺は辺りに向けて頷きかえした。

声の主は低く落ち着いた抑揚のあまりない声で、優しく語りかけてきた。

どうやら、かなりの年配のようだと思わせる雰囲気を持っている。


俺はただ声の主の次の言葉を待った。

だが、なかなか声は聞こえてこない。

もしや、今度は耳が聞こえなくなっている?と心配しだした時。


「…お主、生きたいか?」


頭に声が響いた。

うなずく、何度も頷きかえした。


「そうか、そうであろう、わしも今になって本当にそう思う、昔はこんなふうに惨めに生きるより、戦いの中で死ぬ事を望んでいたが、やはり死にたくはないのぉ」


まるで何百年も生きてきたかのような重さのある声。


「どれ、小童こわっぱ一つ取引をせんか」


俺はなんの話か全くわからない、高速道路の真ん中で一体どうなっている?と困惑しているが、声は構わず続ける。


「お主はそのままここにれば、いずれは消えてしまうであろう、この世界はお主が存在しておれる場所ではないのでな」


一呼吸置いて声は、あぁと。


「そうか、目も見えぬのでは、今、自分が、どこにおるかもわからぬな、では小童、理解せい、ここは先ほどまでお主がいた世界ではない、別の世界じゃ、この世界ではお主の存在は許されん、消えゆく存在じゃ。その証拠に目も見えんし声を出せんじゃろう、そのうち耳も聞こえなくなり、触覚すら消えていく」


俺は自然と手を胸に持ち上げ上着を握りしめていた。

声は続く。


「そこで取引じゃ、わしもお主と同じく間も無く消える、…存在ではなく命がじゃがの」


深く息を吸い吐きながら呟く。


「寿命じゃ」


そこには、わかりずらいが深い哀しみをまとっているように感じる。


「だか、そんなわしでもお主のような人間1人くらいなら、例え異世界人でもこの世界に従属させることはできる。この世界の住人はすべからく神によって支えられておる、神の祝福が存在を認めておるのだ」


俺は足の感覚がなくっていること気付く。


「わしがお主の神になろう」


手の感覚が消える。


「そのかわり、お主がこれから見聞きするものをわしにも見せよ。条件はそれだけじゃ」


俺は必死に首を縦に振っていた。


声は、よいか?と聞いているが、それを聞いている余裕はなくなっていた。

ただひたすらに怖かった、自分の存在が消えていくのはわかるのだ、足が、手が、自分そのものが、消えていく。

どうしようもない恐怖。

なんでもよかった、ただ消えたくなかった。


声の主は、うむと頷き、こちらに近づいてきているようだ。

もう、耳も聞こえず、ただなんとなくでしかわからなかったが。


自分が消えると思った瞬間、光が降ってきた。

先ほどまでの白い光ではなく、七色に光り輝く星のような光が。


無限とも思える程の星の数、天の川に投げ出されたようなと、例えるのは可笑しいかもしれないが、それほどの美しき光景。

そんな光の中を泳ぐ感覚がしばらく続いて、そして、唐突に終わりを迎えた。


今度は暗い、真っ暗だ。

それが自分の瞼だと気付いた時は少し笑ってしまった。


目を開ける。


俺は目と口を開けるだけ開き、声が出ないほど驚いた。

ドラゴン、それも高層マンション並みにデカいドラゴンがそこにはいた。


身体が七色に光り、優し目をこちらに向けている。

しばらく声も出せず魅入みいっていると、七色の光が少しずつ弱くなっているように感じた。


「あ、あなたが…」声がでる。


喜ぶ余裕はまだなかった。


「いかにも、ふっ、どうやら成功したようだな」


安堵の声が頭に響いく。

どうやら賭けには勝ったようだ。

と続けた。


「賭け?」


ドラゴンは笑いながら答える。


「いかなわしでも、神の真似事ができるか少々不安であったのよ。だか、お主はこの世界に認められた、ようこそ、と言っておこうかの」


俺が二の口を開ける前にドラゴンが続ける。


「さて、わしはそろそろ消える、先ほど言ったようにな、できる限り面白い人生を送れよ。その為の力はくれてやったのだからな」


ドラゴンは最後に「わしを退屈させるなよ」と言って消えていく。

俺はとっさに聞いていた。


「なぁ名前は!!」



《ファーブニル》



頭に響いた。


次の瞬間、空間をおおわんばかりの光の渦が瞬き、天に向かって伸びていった。

あまりの眩しさに目を覆った腕をどけると。

先ほどまで、目の前にいたドラゴンの影も形もなく、ただ広々とした空間だけがのこっている。


俺はしばらく呆然としていた、今までの出来事がまだ理解しきれていない。

どれほどそうしていただろか?


グゥ〜


俺は自分の腹の音で我に返った。


「…腹…減ったな…」


仕事の合間を縫って書いてみました。

いろいろ広げて行けならなーと思ってます。

よろしく!!


この後書きの下に

小説家になろう、勝手にランキング

ってのがあるんですが!

これをチェックしてくれてると嬉しいです!

ランキングに投票って形をなったりします!

でゎ!

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