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ドラゴンの加護ありて   作者: 如月マルコ
1/37

プロローグ〜竜人と炎虎と〜

はい。

初めまして!

如月マルコです。


アクション推しの作品なのでプロローグからバトルになってます。

本編は次からですね。


戦いと少しの恋愛で語っていこうかな、と思ってます。

よろしくです。



厚い雲によって光が遮られた、どことも知れぬ朽ちた廃城。

その直上にて青白きほむらと赤黒き獄炎ごくえんが衝突した。


その余波は眼下の廃城を昼間の如く照らすと、空気から伝わる振動によって大地が浮き足立つ。


幾度となく青白せいはく赤黒せきこくの激突は続き、そのエネルギーによって辺りの空間が歪み、木々は騒ぎ出し、小さな石は浮かび上がる。


2つの炎は今一度激しくぶつかると、弾かれたように廃城の天辺に同時に降り立つ。


一方は青白き焔を纏いし竜人、光り輝く竜の眼、腕の延長線に自身の腕の数倍はある爪を駆り、背中からは眩いばかりに輝く翼をまとうが如く羽織はおっている。

その身体の周りには大小ある光の粒が衛星のように周回しており、その者を護っているかの様だ。

それら全ては青白き半透明で創られており、男の身体をまるで竜の如く形作っていた。


もう一方は赤黒き獄炎ごくえんに彩られし炎虎、紅蓮の髪、燃える瞳は実際に炎が揺らめいていて、その身体は蜃気楼に覆われている。

人の形からなる姿をしているが、その手や足は紅く燃える毛が本物の虎の如く敷き詰められていた。

口から覗く鋭い犬歯、手足の爪は1つ1つがロングソードの様に長く太く伸びていて、薄赤く残像を残して動く。

その身体のラインから女性だと解るが全身を覆う赤黒の体毛がそうとは感じさせない。


2人、あるいは2体の化け物は睨み合うと再び宙に飛び上がる。

一方はその青白き翼で、もう一方はまるで空中を蹴り飛ばすように空へと駆け上がって行く。


青白せいはく赤黒せきこくの光は互いに交差しながら衝突を繰り返し、雲の中に消えていった。


衝撃。


先程よりも、いや、今までのどの衝撃よりも激しい爆音が鳴り響く。

その衝撃波によって、深い灰色の分厚い雲は2体の竜虎を残すようにして円心状に搔き消える。


その中心、青白赤黒の嵐のど真ん中では2体の化け物が半透明の爪と残像映す剣爪けんそうで、しのぎを削っていた。


蒼き竜人が一瞬の呼吸ののち、その口から自身と同色の波動を放つ。


正面から食らうかと思われた炎虎だが、寸前で身体を反り波動を躱すと、その勢いのままムーンサルトの要領で足に生えし剣爪を竜人に向かい蹴り上げる。


剣爪が当たる瞬間、竜人の身体の表面には青白き半透明のウロコが浮き上がった。


再び、衝撃!。


竜人は相手の蹴りの勢いに抵抗せず、自ら吹き飛ばされるように上空に跳ね上げられると、翼を大きく広げて宙に留まる。


その背後には無限の広がりを見せる夜空、その中を数えきれない数の星々が輝き、2人の戦いを見守っていた。


あか炎虎えんこは直上を見上げると再び宙を蹴り跳び上がる。

さらに、そこから身体をまるでボールのように回転させた。

先程から何もない宙を蹴っているように見えるが、よく見ると蹴る瞬間には足元に魔方陣が展開されているのが見てとれる。


あおき竜人は大炎球の如く昇ってくる炎虎に身体を向けると、両腕を天地に構え指を牙のように折り曲げた。

すると、その両腕を半透明のドラゴン顔が覆い、巨大な竜のあぎとが現れる。

竜人はその体勢のまま、背後に爆風を振りまいて直下に爆進した。


天から襲う竜の顎、地から昇り上がる紅き焔玉。

それらが空中で折り重なった瞬間。


三度みたび、衝撃!!。


蒼と紅は、お互いその炎を巻き上げてせめぎ合うと、それらは混じり合い色を無くしていく。

やがて臨界を迎え、爆発すると思われた瞬間。


炎虎が身体の軸をずらし竜の牙をすり抜ける。

そのまま、その巨大な剣爪で胴体めがけて斬りかかった。

勝ちを確信したように紅き炎虎はその口角を吊り上げる。

如何に蒼き竜人のウロコと言えど、勢いのついた今の一撃ならば粉砕出来ると踏んでいるのだ。


竜人の眼は炎虎の動きを捉えてはいた。

だが、その両腕は未だ顎を創ったまま、防御や回避は間に合わない。


当たる、そう思われた瞬間。


炎虎の身体が横に吹き飛ばされた。

顔面を強打されたらしく、その犬歯立つ唇から赤い血が流れ出ている。


炎虎が宙を蹴り距離を取ると、虎の赤い目は自分を打ち付けたモノの正体を見た。


尻尾。


蒼き竜人の腰より、長い半透明の尻尾が伸びている。


一瞬驚きに染まった炎虎だが、すぐに高らかに笑うと、仕切り直しだ、と言わんばかりに咆哮を上げる。

その間炎虎は落下する事なく、宙にえがいたる魔方陣にその身を置いていた。


竜人はその咆哮ほうこうに呼応するように咆哮を返す。


2体の咆哮は空を歪め、大地を揺さぶり、木々をなぎ倒す。

直下の廃城は幾度いくどとなく当てられる衝撃波により、いたるところから崩れ始めている。


2体の化け物の戦いを天より見守るは満天の星空、地上より見守るは幾人いくにんもの人の目。

廃城から離れた小高い丘の上から、大小合わせて50人ばかりの人が影を連ねている。


その表情は夜の闇ではっきりとは映らないが、皆同様に手を握り、祈っているようであった。


その祈りは届いているか、いないのか、2体の竜虎は戦いを続けている。


蒼き炎を燃やし、紅き焔を巻き上げ、剣爪を打ち鳴らし、翼を羽ばたかせる。

2体は次々と攻守を入れ替え、竜爪と剣爪を重ね合わせ、時に弾き、時に受け流す。


その戦いは夜を押して続けられた。



やがて太陽が東から顔を出す、広々とした荒野を白い光が照らしていく。


2体の化け物は、最後の一撃を振りかざさんと身構えているように見える。


朝の光が、竜と虎の顔を照らし出した瞬間。

2体は同時に咆哮を上げて突き進む、青白き炎と赤黒き焔が日の光の中で1つになる。


その光は天と地を白く、白く染め上げていく。

まだ頭上に残る星々も、地上より戦いを見守りし人影も、全て等しく染めていく。



その白き光の中で、2体の化け物は楽しそうに笑っているように見えたのだった。


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