表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/47

第8話「崩壊の予兆」

「アレクシーナ・クライは世界征服を企んでいる!我々自国の自治と真に平和を望む者の敵だ!」


 既に連合を作っていた国家群の統治者がそう世界に向けて発信した。あらゆる事実を踏まえた為、世界は大きく揺れ始めた。そう言った統治者は、その後に告げた言葉も放映させた。



「我々はその裏を今探っている。それで分った事実を公表しよう。」

 TVに映ったその男は、冷静に間を計り力強くそう言った。

「クライ王家は元々世界の覇権を握る為に、超能力者の研究を行っていた。そして、その研究が終わるや否や世界中にβ能力者と呼ばれる予知者を送り込み、正確無比な予知を行わせ各国家の信頼を得させた。」

 男は机をドンッと叩き、怒りを抑えきれないという姿を演出した。

「そして、アレクシーナが「世界統一連合」を提唱するや否や、彼らβ能力者を利用し世界が自分に傾くように、預言させた。」

 男・・・・・ラスア・エラーラは襟元を正し、訴えるような目をカメラに向けていた。全て計算された姿だった。

「超能力者と言われても、いきなりでは信じられないかもしれない。その証拠を我々はここに提示する。」

 ラスアは机の上の写真をカメラの前に向けた。それは、リーン・サンドライトがイレーザ病棟を破壊している姿だった。そして、ラスアは他の証拠写真を握り振り上げる。

「他にも幾つもある。彼女はクライ王国によって作られた。軍事超能力兵器、リーン・サンドライトだ!」

 ラスアは再び机を叩いた。

「しかし、彼女も人間だった・・・・・・命令とは言え人を殺した。その罪を贖う為とクライ王家のその野望を抑える為に、彼女は単身クライ王家に立ち向かったのだ!!それが、クライ王家要人暗殺テロの真相なのだ!」

 ラスアは後ろに控えた、男を一人前に立たせた。

「そう、幾ら超能力と言われてもあなた達には信じられないかもしれない。そこで、我々はアレクシーナの野心を知り、世界の為にアレクシーナ・クライを裏切ったβ能力者をここに立たせる。」

 男はゆっくりと、そして導かれるままにラスアの立っていた場所に立ち、マイクを片手にした。

「皆様、ラスア閣下の言われる事は真実です。ですが、信じられないかもしれません。そこで、私が手に入れたβ能力で人助けをしたいと思います。それは・・・・・・・・・」

 男は一拍おいて言った。

「地震の予知です。R国のS市において震度6.5に近い地震が三日後に起こります。ですから、心あるR国のS市市民は避難してください。」

 男はそう言って引き下がった。

 ラスアが再びマイクを取る。

「我々は、この男、ヒルダード・アックスマンが数々の預言から本物である事を知っている。だが、皆さんが信じるのはこれからだ!しかし、二度も真実を語る機会があるか分らないので、私はここで話しておく!」

 ラスアは、胸を張りマイクを演台に戻す。

「先程、話した軍事超能力兵器リーン・サンドライトのその後だが・・・・」

 ラスアは静かに続ける。

「アレクシーナ側の政界における発表では死んだ事になっていた。しかし、事実はアレクシーナの秘蔵っ子、もう一人の軍事超能力兵器リューヤ・アルデベータに捉えられ、洗脳されていたのだ。」

 ラスアは再び机を叩いた。

「そして、F国におけるある事件を利用し、リューヤ・アルデベータを「救世主」に仕立て上げる為に、死者の復活・・・・・リーン・サンドライトの復活を演出した!!・・・・・・・・その事により、アレクシーナはより以上の注目を浴び、彼女の「世界征服計画」は進んだのだ・・・・・・・我々は断固、アレクシーナの野望を阻止し、民族の独立と国家の自主性を守る為に、「偽国家統一連合」と戦う!!!!!!」

 そして、ラスアは静かな佇まいに戻った。

「私の言っている事が事実かどうか、三日後には分る・・・・・・」

 ラスアはそう言って演台を去った。 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ