食事
この基地の食堂は意外に広い
何でも、どこかの学校を利用させてもらっているのだと言うが
中学校までしか知らない私には広く感じた
「さて・・・何を食べようかな」
メニューを見てから品選びをする
うどん(物資不足の為具などは入っていない)
焼きそば(同じく具なし)
日替わり定食(白米、味噌汁、あと日によって変わる川で釣れた魚)
カレー(救援物資)
どこかの国の軍食(栄養重視で味が、ね・・・)
正直救援物資があるからバリエーションが増えた方だが、やはり味気がしないものばかりだ
3年前が・・・どれだけ恵まれていたのかが身にしみて分かる
「俺はカレーで」
「私は日替わり定食でお願いします」
あいよ と厨房の方から声が聞こえて私達は空いている席に座る
この時間帯、この本部には一般人を含めて数百人の人が居る
そのうち、私達装甲機動部隊員は三十人ほど
今の時間帯は、丁度夕食の時間帯なのでこの広い食堂がほぼ満員になっていた
「にしても、今日の出動は何だったんだ?」
今日の出動の表向きはファーストレイに関する企業を襲撃する任務だった
だが実際は、開発班から試作機体が到着したのでその稼動試験だった
陌間はレーダーバックアップなので、基地のオペレータールームから指示をくれる
だから現場の事情は知らないはず 「まあ、俺はエッタちゃんが無事に帰ってきてくれただけで嬉しいんだけどな」
うわぁ・・・気持ち悪い
「おいおい、俺は真実を言っただけぜ?」
「はいはい」
いつもこれだから、もう気にしない事にしている
{装甲部隊に連絡、隊員は食事を終えた後ブリーフィングルームに集合するように。また、その際は私服でも構わない。繰り返すーーー}
あぁ・・・また召集だ・・・
召集される時にはいつも最後の人が後片付けをやらされる
面倒くさいけど、急いで食べなくちゃ
「また召集か・・・今度は何だよ?」
恐らく試験機のデータ提示あたりなのだろう
装着した感じ、従来型と比べると動きが軽くて機動性が高い
デフォルト装備の高周波共振動ナイフは相手の装甲に切れ込みを入れる事ができる
新型エネルギーユニットの出力向上によって稼働時間は倍以上に延びた
ただ、やはり試験機だからかエネルギーユニットの出力が不安定になる時がある
実戦兵器だからまだまだ安定させるには改良が必要だと思った
「まあ、さっさと食って行くに越した事はないな」
「そうだね」
夕食を急いで済ませた私達は、食堂を後にしてブリーフィングルームに向かった