レジスタンス
施設から出ると耳を劈く銃声が聞こえた
それと同時に目に入るロボットのようなもの
「なっ、何だ!?」
正確には、それは”人が身につける形”のパワードスーツのようなものだった
それが銃を撃ち、同じようなスーツと戦っている
近くにあったジープの影に身を潜めて様子を窺う
ぶつけ合う装甲からは火花が飛び散り、近接戦ではナイフなどによる攻撃で相手に肉薄する
その際少し露出した生身の部分へとナイフが刺さり、鮮やかな赤い血を吹き出させる
そしてその片方、黒色の機体の動きが止まった
それを確認し、グレーの機体は飛翔して僕の目の前から消えた
誰も居なくなったのを確認して、僕は黒い機体に向かう
首から血が流れ、一目見ただけで絶命している事が判る
「とにかく情報は、手に入れたから撤収しよう」
立ち去ろうとすると突然目の前に落下する重い塊
それは先ほどのパワードスーツ二機が取っ組み合いをしているものだった
「ぐ・・・うっ・・・!!」
その押されている方の搭乗者が呻き声を上げる
声を聞いた感じ、十五・六歳ぐらいの女の子だろうか
そののど元にナイフが突き立てられていた
ナイフの先端が、少女の首に近づいていく
マズイーーーあのままだとーーー
目の前の死体を見る
首にはナイフが刺さったまま動かない人間
僕は無意識に手元に倒れている先ほどのパワードスーツからナイフを引き抜き
それを持って黒色の機体の後ろに回りこんだ
ドスッ
黒い機体の露出した首の部分にナイフを突き刺す
搭乗者は一瞬僕の方を睨むが、僕は構わずナイフを握る手に力を込めた
そして・・・僕の手には生暖かい液体が滴り、搭乗者は力なく腕を垂れた
絶命したのを確認した僕は、その搭乗者からナイフを引き抜いて払うようにナイフを振る
赤い鮮血が遠心力によりナイフから離れ、ピシャッとアスファルトに赤黒い染みを作る
気付けば、目の前の女の子はヘルメットのバイザー越しに恐ろしい物を見る目で僕を見ていた