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この作品には 〔ボーイズラブ要素〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

友人

旅行(三日目)

作者: 蒼聖石

友人シリーズ、第5弾、三日目最終日です。

お姉さんがちょっとえっちぃのでR15です。

「ぅん……朝?」


 徹の腕を外して起こさないようにゆっくりと布団から出る。テキトウに浴衣を羽織って窓際の椅子に座っているとドアがノックされた。


「はい」

「おはよう、望ちゃん」

「あ、お姉さん」

「お風呂行きましょ。徹も起こして」

「徹もですか?」

「女将さんに頼んで混浴にしてもらったの。もともと貸切だったしね。お疲れでしょ?」


 言ってる意味が最初分からなかったけど、お姉さんの表情からすぐに読みとれて、顔が熱くなる。


「あ、赤くなった。図星なんだ」

「う………」

「早くしないと、みんな起きちゃうよ」


 熱くなった顔のまま徹を起こして、このことを伝えると、すぐに準備を終わらせて俺を引っ張っていく。

 即決か……お姉さんを信頼してるんだな……


「徹はわたし達が入るまで外で待機よ。女の子の着替えを見るなんて言語道断。さ、行きましょ」

「え、あっ、ちょっ…!」


 俺を脱衣所に引きずり込むと、お姉さんはすぐに脱ぎ始めた。見ないように背を向けていると、しばらくして肩に重みと背中にやわらかい感触が……


「ほ〜ら、早く脱ぐ。今は女の子なんでしょ?」

「ち、ちが…」

「お母さんに言っちゃうわよ〜」


 脅し文句に観念して、背を向けたまま浴衣を脱ぐ。


「あ、下着もそうなんだ」

「見られたら大変だからって……姉貴が…」

「……そう」


 なんだか見られるのが恥ずかしくて、胸からタオルを巻いて下着を脱ぐと、お姉さんは徹を呼んで俺を風呂まで引っ張っていった。

 風呂の中にタオルをつけるのはマナーに反するから取らざるをえない。見えないように取って肩から湯をかけると、先に入ったお姉さんから離れた位置に浸かった。


「徹のために苦労させるわね」

「いえ…俺が好きでやってることです」

「女装が?」

「違いますっ!」

「あははっ、ごめんね。うん……わかってる。徹の世間体、気にしてくれてるのでしょう?」

「それもありますけど、何よりあいつが喜んでくれるので」


 そういうと、お姉さんは少し笑った。そのとき、遅れて徹が入ってきた。お姉さんから目を逸らしながら俺の近くに浸かった。


「徹。望くん、大切にしなさいよ。女の子じゃこんないい子なかなかいないから」

「わかってる。何があっても手放す気はないよ」

「あらあら、お熱い言葉。愛されてるわね、望くんは」


 徹の発言とそれを茶化すお姉さんの言葉に恥ずかしくなった俺は顔を半分、お湯に沈めた。そんな俺を見て二人は笑ってる。

 そうしてひとしきり笑うとお姉さんは湯船から上がった。


「おいで望ちゃん、洗ってあげる」

「い、いやですよ!」

「お母さんに」

「わかりましたっ」


 言わないだろうとはわかっていても、やっぱりこの脅し文句は効くな……

 しかたなく風呂から上がると、お姉さんの顔がニヤニヤしてる。視線の先を見て俺はすぐに隠した。


「胸にキスマークあった〜」

「見ないでくださいよ、もうっ!」


 タオルで全体を隠してシャワーの前に座ると、お姉さんが後ろに来て俺の頭からシャワーの湯をかけた。

 それから小さなタオルに石鹸で泡立てて、背中をこする。


「肌すべすべ〜。ホントに女の子みたい」

「……俺は嫌です」

「まあまあそういわずに。それ♪」

「ひゃんっ!」

「おお……敏感」

「や、やめ!ひぅっ…」


 それから延々とお姉さんはタオルで俺の胸をこすり続ける。

 突き飛ばすわけにはいかないし……てか力が入らない……


「ふぅ……満足した。妹がいたらこんなふうに遊べたのかしら」

「遊ばないで……ください…」

「ごめんごめん。ちゃんと洗うから暴れないでね」


 腕を洗って泡を流すと、今度はシャンプーをつけて頭を洗い始める。


「わたしが男だったらあの子にあんな苦労をかけずに済んだのだけど」

「………………」

「あなたがあの子の支えみたいだから、これからもよろしくね」

「はい」

「ん、終わり。徹っ、次はあなたよ」


 最初は抵抗していた徹もあの脅し文句で渋々出てきてお姉さんに背中を洗われる。

 俺はその横で残った部分を洗って先に湯船に戻った。

 そのあとから徹、お姉さんと戻ってきて、色々と話しながら一時間浸かり、全員のぼせて上がった。


「さて、と。出発は昼ごろだから。ゆっくりしていきなさいね」

「はい」


 部屋に戻って洋服に着替えると、徹と二人で旅館の周りを散策することにした。土産店で姉貴へのお土産を買って、徹と写メを取って、気づいたら出発の時間が近くなって急いで旅館に戻って準備を済ませた。

 散策で疲れていたのか、車が出発すると俺はすぐに眠ってしまった。起きると外はすでに真っ暗で徹と執事さんだけで、車は家の前で停まっていた。


「起きたか」

「……ごめん」

「いえいえ、ちょうど着いた所ですよ」

「わざわざすみません」


 運転席から笑いかけてくる執事さんに笑い返すと、徹の膝枕から頭を起こして車を降りた。


「また今度な」

「うん」


 俺の荷物を下ろすと徹は車に戻って帰っていった。

 あんなに一緒にいたことないからなんか寂しいな……まあでも、会えなくなる訳じゃないし!

 よしっ、と気合をいれて俺は家に入った。


「ただいま」

「おかえり。どうだった?」

「楽しかったよ」

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