決意崩壊
誰かが何気なく吐き捨てた言葉
『自分を信じてやったらどうだ?』
相手は善意で言ったのかもしれない
彼には悪気は無かったのかもしれない
けれど不思議
そんな誰でも使えそうな一言は
私の心臓を掻き乱してボロボロにして崩壊させた
ギュッと胸を握り締めたせいで服に皺がついてしまったが
それはとてもどうでもいいこと
だって今、もう一人の私が呼吸困難で死にかけてる
もう一人の私がズタボロで泣き喚いてる
表の私がどうなろうともう一人の私には関係ない
仕返しと言わんばかりに彼を睨み上げ
指を指して同じようにヘドを吐き散らかす
『自分を信じろ?お前は世界一の愚者だな。
本当に自分を信じたくない人間がどこにいる?自分を信じたくて、頼りたくて、本心は安定を求めて日々傷ついているんだよ。
何?お前は万人なのか?自分を100%信頼してるのか?
俺だって(私だって)信じてやりたいよ!でも出来ないんだよ!信じれないんだよ!わかってんのに難しいんだよ!!どうやったらいいのかわかんないんだよ!!わからなくなってしまったんだ…っ!!
誰かに何かを委ねて傷つくことの辛さを、お前は知らない。自分自身なら特に。胸が引き裂かれてしまいそうなあの酷い衝動を、私はもう二度と味わいたくないだけ。
さようなら。』
泣かないでもう一人の私
いや、私の本心
私は誰も信じれない
アナタも信じない
他人にボロ雑巾のようにされるのはもう嫌だ
立ち上がれないないほど何もなくなってしまったあの頃に
私は一生戻りたくない
戻らないよ、絶対に
『ごめん。俺、何も知らないんだな。』
とても寂しそうな顔
わからない事への悲しさが滲み出ている
謝罪の言葉は誰に向けたの?
そんな目で見詰められたら
何か私が悪いみたいじゃないか
止めろヤメロやめて
本気でわからなかったの?
私が間違ってたのか?
だって、無知な人間に知らない知識を
『分かれ』
と無理強いしていたのと同じではないか?
幼子に法律を求める行為の無意味さと
…何で?
私が私が私が全て不出来なせい?
ごめんごめんごめんごめんなさいごめんなさい
でも、貴方も充分悪いと思う
わかりもしない事を軽々しく口にした言動は見直すべきだ
でも、私は君の今後に期待をしない
期待とは相手を信じるという行為を意味する
そんなのは可笑しい
私は私の本心を隠して、守って、独りで死ぬその瞬間まで
誰かを疑いながら生きる
頼る存在も必要ない
…だけど、一つだけお願いがある
『(泣き止んで、私)』
『…本当にごめんな。』
謝り続ける彼の目の前でハラハラと流れる涙
本心が表に現れた
小さなきっかけ
ほんのちょっとの変化
触らないでくれ
人の温もりなんか欲しくない
欲しくなんかないんだ
『うああああああああああぁぁぁぁあああぁぁッッ!!!!』
生涯孤独でいると決めた私の決意を
どうか邪魔しないで
人間不信。
他人だけでなく、己のことさえもわからなくて、信じたくてもそれが不可能で。再び誰かを信頼するのはとても難しい。傷ついてしまった過去が現実の真実だと思い込んで、人との間がかすみ、よく見えなくなってしまう。
『助けて』
その一言さえも億劫で、もしかしたら忘れてしまったのかもしれない。
私もそれを本気で誰かに向けることはきっとない。いや、やり方を何処かに置いてきてしまっただけかも。だけど探しに戻らない。本当に必要になったら必ず思い出すと感じているから。
アナタもそう思いませんか?
心の片隅で信じていませんか?温かい未来を。
ありがとうございました。