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ブラッドサースティヴィーナス  作者: 檜鶯盈月
第3章 暴かれた黒幕
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目には目を

「ミハエル、お前の力を信じてるからな!」

「言われるまでもない!」

 瞬間転移者(テレポーター)のミハエルは瞬間転移しながら一気に殺戮機兵の背後に迫り寄った。


「何をしているんです! 早くあいつを殺しなさい!」

 二手に分かれた上に、その一方でも一人が抜きん出ている。

 殺戮機兵がミハエルに狙いを定めたためにボルファルトとヴァネッサの二人が完全に的から外れた。その隙に、ボルファルトは炎天の力を宿らせた広刃鎗(パルチザン)を召喚して、殺戮機兵目がけて思いっきり投げ放った。


 狙いすましたとおりに見事胴体を貫くと、瞬時に殺戮機兵は爆炎に包まれ、跡形もなく焼尽する。その直後、アリシアのスナイパーライフルから撃ったプラズマ粒子の弾丸がもう一機の殺戮機兵の頭部を何発も貫通し、撃沈させた。残すはサミュエル一人だ。


「そんな馬鹿な――!?」

「現実を受け入れられないって顔だね。恨むなら、あたしらを甘く見た無知な自分を恨みなよ」

 とても冷酷な口調でヴァネッサは狼狽するサミュエルに迫り寄った。その手には毒天の力を宿らせた棘のある頑丈でしなやかな長鞭を持っていた。スーツの生地ぐらいなら切り裂くのはいとも容易(たやす)い。まずは威嚇するために地面に力強く打ちつけた。


「や、やめてくれ!」

「大丈夫よ。そんなに痛くしないから」

 ヴァネッサは怯えるサミュエルの右手を長鞭でバシッと力強く叩いた。スーツの袖は簡単に引き裂かれ、僅かに鮮血が流れ落ちる。この天威(てん い)武器の本領が発揮されるのはこれからだ。


 突然サミュエルの体が小刻みに痙攣し始めた。立った姿勢を維持できずに地面に倒れ込んだ途端、今度は嘔吐する。


「は、激しい眩暈(めまい)がする。いったい私に何をしたんだ?」

「今、あんたの体を遅効性の毒が回っているの。ジワジワと訪れる死の恐怖に怯えて死ぬのがあんたには相応しいと思ったからね」

 ヴァネッサは屈み込むと、じっとサミュエルの目を見つめたまま言ってのけた。


「みんな、お待たせ!」

 何も知らないアリシアが戻って来た。これで再び全員が揃った。


「パルマン、さっきは素晴らしい指示だった」

「隊長、それよりも早く連中の後を追いかけましょう! AGIが奴らの手に落ち、活動期(プロシード)に入ってしまったら、俺たちの今までの努力が無に帰します!」

「ああ、そうだな。今は先を急くぞ!」

 ボルファルトの言葉に全員が力強く頷いた。


 AGIが活動期に入った瞬間、この巨大都市テンブルムがどうなるかは誰も予想がつかないはずだ。《黄昏の粛清者》の黒幕にしても、想像で考えているに過ぎない。


 状況によってはこの巨大都市が崩壊するかもしれなかった。そうならないためにも、全力を尽くして防がなければならない。


(それは俺たちにしかできない!)

 開け放たれたゲートを通過しながら、パルマンの固い決意は揺るぎないものになっていた。

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