表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ブラッドサースティヴィーナス  作者: 檜鶯盈月
第3章 暴かれた黒幕
56/69

最新型の殺戮機兵

「ボルファルト、長官からあの地区に入る許可は得たんだろ? だったら、ヴォルテックスでこのまま最上階まで飛んでいけばいいんじゃねぇのか?」

「それは無理だ。俺たちは陸路での通行が許可されたに過ぎない。上空から入れば、瞬く間に撃墜されるだろう」

 AGIの防備は非の打ち所がないほど完璧だった。巨大都市(メガシティー)の管理補佐を任されたお偉い方々はそれだけ危機感を持ってこの女神を防護しているのだ。


 この特別禁忌区は人が無闇に近寄れる場所ではない。そのため、ヴォルテックスが着陸するための広々とした空間もあった。


 全員が降りると、目指すべきAGIの置かれた場所に足早に向かった。


 自分たちの響かせる足音しか聞こえない。そんな中、あともう少しで目的地にたどり着けるところまで来たとき、つい先ほど目にした男が待ち構えていた。


 濃灰色(ダークグレー)のスーツを来て、肩まである長い黒髪に枠のない眼鏡をかけたサミュエル。その両脇には地面から少し浮遊した二機の堕天裂空型の殺戮機兵の姿があった。


 兵器のようなものは搭載していない。両腕の先は平べったい円盤形になっていて、先端には薄い隙間があった。


「ドブネズミ風情がやはりここまで来ましたか。でも、ここから先はどうあっても通過させるわけには行かないのですよ」

 サミュエルの手にはリモコンが握られていた。


抹殺者(イレイザー)の顔が見えないね」

 ヴァネッサが周囲を見渡しながら口に出した。

「ああ、彼ですか。本当に良い仕事をしてくれましたよ。道具としてはね。皆さんは使い物にならなくなった道具はどうします? そうです。彼には弟の後を追ってもらいました」

「お前!」

 ミハエルが憎悪を剥き出しにした。


「あいつ、嘘は言ってないよ」

 思考読破者(ソウトリーダー)のヴァネッサが言うのだから、間違いなかった。


「もう良いですかね? さぁ、あなた方にも死んでもらいますよ!」

 サミュエルは戦いの開始を告げるべくリモコンのスイッチを押した。それと同時に、二機の殺戮機兵は動き出し、円盤形の薄い隙間から何かが飛び出した。


 それは突風のようで少し違った。真空刃というものだった。


 全員が思い思いの方向に跳躍して避けた。だが、真空刃は連射が可能だった。すかさず隊員たちはもう一度避けるしかなかった。その連続が続いた。


「そうです。死ぬまでそうやって踊ってなさい!」

 サミュエルは高らかに笑い声を上げた。


「アリシア、ライフルだ!」

 パルマンは大声で叫んだ。


 アリシアの使うスナイパーライフルはヴォルテックスに置いてきた。だが、その射程までは真空刃は届かないはず。もはやこれしか打つ手はなかった。


「分かったわ! みんな、待ってて!」

 アリシアは何をすべきか悟ったように一時的に戦線を離脱した。


「チッ、姑息な手を思いつきましたね。でも、それまで持ちこたえられますか?」

 サミュエルはまだ余裕の笑みを崩さない。


「隊長とミハエルとヴァネッサは右に、俺とロマーディオは左に避けて背後に回り込むんだ!」

(これで無駄な体力の消耗は防げる!)

 全員がパルマンの言われたように動き出した。


 幸運なことにこの場所は広々としていて、避けるには申し分ない。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ