表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ブラッドサースティヴィーナス  作者: 檜鶯盈月
第3章 暴かれた黒幕
48/69

ベルハラートに関する情報

 暗がりの中、パルマンは指令室の電気を点けた。次いで、自分のデスクに着くとパソコンを起動させる。


 隊長の指示を仰ぐかどうか考えてみたが、そのためには確たる立証が必要だった。


 手始めにベルハラートについて調べてみた。


 ジュリアナの言葉どおり、《黄昏の粛清者(エピュラシオン)》の同時多発襲撃事件によって殺されていた。


 この男の邸宅は秘密結社の連中によって跡形もなく全焼したようだ。


 使用人を含めた複数の焼死体は性別すら判別がつかないほど焼け焦げていて、死人の特定に全力を尽くしているようだ。有力な情報としては事件が起きる前に帰宅した使用人からの聞き取り捜査で昨晩ベルハラートは自室にいたという証言が取れているようだ。


 状況証拠だけを見れば、ベルハラートが《黄昏の粛清者》の黒幕だという説はとても希薄なものになった。どう考えても使用人が自分のご主人を見間違えるとは思えないからだ。


 やはりナタニエルの捜査に重点を置くべきなのか、迷うところだ。


 まだバルロデミオ一家について知りたいことが幾つかあった。父親のモスリーニャの超人化計画とはいったいどういうものなのか。それから、長男に降りかかった不慮の死とはいったい何だったのか、だ。


 これらに関しては帰宅してしまった分析官たちに任せるしかなかった。


 残すは、殺害されたベルハラートが創設したカルト教団の存在に関しても調べる必要があるだろう。


(隊長には伝えておくべきだな)

 パルマンはボルファルトのスマートフォンに電話をした。もう自宅に戻っていてもおかしくない時間だった。数回の呼出音の後、ボルファルトが電話に出た。


『急にどうした? まさか何かあったんじゃないだろうな?』

 パルマンを一人で本部に残したことが気がかりだったようだ。

「俺は大丈夫です。実は新たな情報を入手したので、隊長にはお伝えしとこうと思いました」

 それから、先ほど知り得た情報を詳細に伝えた。


『なるほど。ベルハラートという男の死体に関しては身元の判明を急ぐようにあらゆる機関に要請しておく。他の案件は分析官なしでの解明は困難だろうな。至急この案件を調べるために隊員と明日出勤予定の分析官たちにはなるべく早めに出社するように俺からメールで伝達しておこう。それでいいか?』

「はい、よろしくお願いします!」

『それから、パルマン。しっかり飯を食って、ゆっくり体を休めておけよ。これ以上は明朝にならないと、大した進展はないだろうからな』

「分かりました。それでは失礼します」

 そこで通話を切った。


 椅子の背もたれに全体重を預けると、内ポケットに入れたままの最後の切札が入った銀製のケースを取り出す。それをボーっと眺めた。


 平穏な巨大都市(メガシティー)の根幹を揺るがす同時多発襲撃事件。その黒幕の正体は未だに特定できずにいる。それだけに、最後の切札と言うべきケースの中の特殊な組み込み式内臓ストレージ――PUDは絶対に守らなければならない。


 例え自分の身に何が起ころうとも――。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ