同期の絆
帰りの車内は静寂に包まれていた。三人とも無言を貫いている。
パルマンは窓際に座り、夕焼けに染まる外の風景を眺めていた。
「お、俺はお前らを信用してないとは一言も言ってない。ただ、秘密結社の連中に好き勝手にかき回されてる自分に無性に腹が立っただけだ。今までの事件でこう何度も敵に裏をかかれたことはなかったから――」
「それってただの自惚れって言うんじゃない?」
心の内を曝け出して弁解した。それに対して、アリシアはまだ喧嘩腰だ。パルマンは視線を二人に向けた。
「否定はしないさ。誤解されても仕方ない行動を取ったのは事実だからな。もちろん、それについては悪かったと思ってる……」
悪気はなかったとは言え、この先も絶滅特殊部隊の隊員としてやって行くためには謝るべきだと思った。
一度失った信頼を取り戻すのは困難を極める。許してもらうまでに途方もない時間がかかるかもしれない。
再び沈黙が訪れた。
「パルマン、お前がうちらの中で頭一つ抜きん出てるのは理解しているつもりだ。もう二度と同じ真似を繰り返さないなら、僕らもわだかまりはなくしておきたい」
どうやらミハエルは許すつもりのようだ。
「アリシア、お前も同じ気持ちじゃないのか?」
「わ、私!? まぁ、さっきはビックリしたけどね。素直に謝ったことだし、許してやってもいいわよ。私たちは同期の三人組だしね」
その瞬間、エアヴィークル内の空気が和んでいくのを感じた。
三人は約二年前に絶滅特殊部隊の入隊した同期だ。そう簡単に打ち砕かれるほど軟な絆では結ばれてなかった。
「二人とも、ありがとう」
照れくさそうにパルマンは感謝した。壊れそうになりかけた関係が元通りに修復された瞬間だった。
(これで最悪の事態はどうにか回避できた。これまで通り秘密結社との戦いに専念できる!)
再び外の風景に目を向けた。
(切札はまだ俺の手の中だ。取れるものなら取ってみろ!)
パルマンは決意を新たにした。




