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ブラッドサースティヴィーナス  作者: 檜鶯盈月
第2章 仕組まれた罠
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怒り狂うパルマン

 いきなり一対三になったが、改造人間(レプリカント)のパルマンは常人離れした動きで相手の攻撃を次々と(かわ)した。一度戦ったことで目が慣れているのも後押ししていた。


 強靭化した手下たちも機械(アーマード)化した改造人間と同じくらいの素早さを見せたが、ギリギリで見切ることができた。その間隙を衝いて、圧巻の剣技で切り裂いていく。飛び散る血しぶきとともに一瞬にして凍りついた。


「俺に同じ手が通用すると思うなよ!」

 雄叫びを上げるパルマンはまるで戦神のようだった。ただ、普段の冷静な戦い方とは大きく異なっていた。


(俺のせいだ! 俺がもっと慎重に動いていたら――)

 不意に手下の一人がパルマンの背後を捉えた。そこへ、瞬間転移したミハエルが雷天の力を宿した大曲刀(シャムシール)で一刀両断にする。


「パルマン、いったいどうしたんだ? お前らしくない軽率なミスだぞ!」

 だが、全く聞く耳を持たなかった。次の手下目がけて駆け出していく。そのまま勢い任せに小剣で突き刺した。まるで鬱憤を晴らしているようにも思えた。


 この時点で手下たちは半分まで減らせた。さらに光天の力を宿らせた強弓を持つアリシアの放つ光の矢が手下の一人の頭部を射抜いた。


 強靭化した秘密結社の手下たちは仲間がいくら殺されようとも、全く怯える様子も見せずに襲いかかって来た。それでも、ここまで来れば、ほとんど勝ったようなものだった。


 激闘の末、十人ほどの手下たちは全員始末された。ただ、パルマンの心に取り憑いた激しい怒りの炎は消えなかった。


「パルマン」

 とても落ち着いた口調でミハエルが声をかけてきた。その声に振り向いた瞬間、強烈な拳がパルマンの頬を殴り飛ばした。


 想定外のミハエルの行動に、パルマンは地面に腰から崩れ落ちた。


「お前の行動がどれだけ仲間を危険に晒したのか、分かってるんだろうな! チームワークを乱し、自分勝手に戦ってどんな気分だ!」

 ミハエルも激昂していた。だが、アリシアはこの状況を止めにはいかなかった。パルマンの言葉を待っていた。


「俺、俺はただ……」

「いいか、よく聞くんだ! 連中に頭が来てるのがお前だけだと思ってるのか! 僕らだって同じ気持ちなのがお前には分からないのか!」

 恥じ入るパルマンに対して、ミハエルは目を覚ますように気持ちをぶつけてきた。


(俺たちはずっと後手後手に回って……それに振り回されてる自分が許せなくて……)

 パルマンはその屈辱を言葉には出さなかった。出せるはずがなかった。


「ロマーディオとヴァネッサは僕らが起こす。その間、お前はそこで頭でも冷やしてろ!」

 それから少しして、ロマーディオは目を開けた。ゆっくりと起き上がると、目の前の凄惨な光景に見入っていた。

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