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ブラッドサースティヴィーナス  作者: 檜鶯盈月
第2章 仕組まれた罠
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多大な犠牲

 ミハエルも瞬間転移を繰り返しながら、パルマンと同じ結果を導き出していた。残った敵は武破雷光型の殺戮機兵だけだ。


 雷迅砲による攻撃は周辺に甚大な被害を及ぼしたが、一発撃つためにいったんエネルギーを充電(チャージ)する必要があるようだ。その隙を衝いて、アリシアたちは残りの機体を再起不能にした。


「フレデリクス、お前は殺さないでおいてやる! いろいろ訊きたいからな!」

 パルマンは銃口を向けて、負けを認めるように促した。


「俺が、俺が負けるとは――!?」

 フレデリクスは現実を受け止められないようだ。


 一度は降参したように思えたが、突如両手に持ち替えたレーザー光線式の拳銃の銃身を口の中に入れると、自分の脳天を撃ち抜いた。


 これでまた秘密結社に繋がる糸口は消え去った。ロマーディオたちが何かしらの情報を得ていることを祈るしかなかった。


☆☆☆


 熾烈を極めた激戦から十五分が過ぎた頃、十台以上の都市警察(シティーポリス)の装甲車両とそれをも上回る台数の救急車が到着した。さらに多数のマスメディアも集まっていた。


 今回の戦いで一般市民から大勢の死者が出た。しかも、瓦礫の下敷きになっているケガ人も少なくない。


 重傷者が続々とストレッチャーで運ばれていく。そんな中、ミハエルは都市警察の刑事らにこの場で起こった事件の大まかなあらましを説明していた。当然のことだが、核心部分は伏せながら。とは言っても、殺戮機兵(カルネージ)の残骸を見れば、誰もが不審に思うだろう。


 パルマンは絶滅特殊部隊(アナイレート・フォース)隊員(メンバー)ということで、半ば優先的に手当してもらった。


 救護隊員の見立てだと、三か所の引っかき傷はそれほど深手ではないということだ。それを聞いて、一応安心した。


 ロマーディオたち二人が助太刀に駆けつけられたのは、機転を利かせた分析官(アナリスト)のベリンダのおかげだった。まだ同じ地区にいたロマーディオのスマートフォンに連絡を入れたのだ。


 さすが頭脳明晰な分析官だけはあると心から感謝した。


 一通りの聞き取りが終わり、絶滅特殊部隊の隊員だけになったところで、パルマンは自分が肝心の切札である特殊な組み込み式内臓ストレージ――PUDを持っていないことを明かした。

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