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ブラッドサースティヴィーナス  作者: 檜鶯盈月
第2章 仕組まれた罠
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強化人間

 戦闘服がはち切れそうなほど手下たちの全身の筋肉が膨れ上がっていた。両目は闘争本能に駆られ、よだれを垂らしながら歯を剥き出しにしている。銃によるケガなど何とも感じてないようだ。


「殺戮機兵は私がどうにかするわ!」

 アリシアはレーザー光線式の拳銃をホルスターに戻した後、砕珠(サイマナ)と呼ばれる天威(てん い)武器を召喚した。すると、光天の力を宿らせた強弓が現れる。


 即座に二本の光の矢をつがえ、二機の殺戮機兵の胴体部を射抜いた。続けざまに放った次の二本の光の矢が追い討ちとなり、殺戮機兵は二機とも空中で爆発した。


「後六機ね!」

 挑発するかのようにアリシアは言ってのけた。


「チッ! お前ら、あいつらを血祭りに上げろ! ただし、例のガキだけは半殺し程度にしておけ!」

 フレデリクスの言葉に呼応して、瞑想状態の手下たちが猛烈な勢いで迫り寄ってきた。そのあまりに素早い動きは常人のそれとは比べ物にならなかった。


「俺は前を、ミハエルは後ろを頼んだ!」

 言葉を発している間に、パルマンは大口径のプラズマ銃の引き金を二回引いた。


 放たれたプラズマ粒子の弾丸は二人の手下に命中して、腹部から大量の鮮血が飛び散った。


 確実に致命傷を負わせた。ところが、後方に弾け飛んだ手下たちはケガなど全く顧みることなく、再度攻撃の構えを取った。それより先に、無傷の手下たちが鋭く伸びた爪でパルマンを引き裂きにかかった。


 一人目の攻撃は紙一重で(かわ)した。ところが、もう一人の爪が制服を切り裂き、脇腹を(かす)める。


 パルマンは激痛とともに片手で血に滲む傷口を押さえた。そこに、深手を負った手下たちが強襲してきた。さすがに、これは飛び退いて避けた。その間に、知覚制御者(パシーヴァー)のパルマンは負傷した脇腹の末梢神経の伝達を遮断した。これで傷の痛みは全く感じない。


 またもや遥か上空で爆発音が轟いた。アリシアの放った光の矢で新たな殺戮機兵を破壊した音だった。ただ、数機の殺戮機兵が雷迅砲で応酬する。


 複数の電力弾の激しい轟音が鳴り響く中、周囲が粉微塵に壊滅する。


 アリシアは機械(アーマード)化した両足で(かろ)うじて回避した。その直後だった。


 少し離れた地点から撃った無数のレーザー光線の弾丸が、殺戮機兵の一番(もろ)い四枚の羽根を撃ち抜き、地面に落として再起不能(スクラップ)にする。それだけではなかった。別の機体が強烈な旋風で八つ裂きにされながら爆発する。その旋風には見覚えがあった。


「お前ら、無事か?」

 瓦礫と化した建物を飛び越えて、風天の力を宿した三日月斧(バルディッシュ)を両手に持ったロマーディオと両手でレーザー光線式のアサルトライフルを構えたヴァネッサが助けに来たのだ。ただ、この状況下では誰一人として、その問いかけに答えられる者はいなかった。


 瀕死の重傷なのに攻撃の手を止めない者も含め、四人の手下たちがパルマン目がけて一斉に飛びかかって来た。ただ、微塵も動じなかった。狙う場所が分かったからだ。


 これ以上ないほどの素早さで四回引き金を引く。すると、脳漿(のうしょう)混じりの赤々とした鮮血を噴き上げて、二人の手下の頭部が吹き飛んだ。ただ、他の二人には命中しなかった。その隙に迫り寄られ、左腕と右足を鋭い爪で引っ掻かれる。またもや二か所から血が滲んだ。


 パルマンは先ほどと同様に痛覚を遮断すると、さらに二発撃った。


 今度は見事に命中し、血しぶきを飛び散らせて二人とも絶命する。これで前方の手下たちは全員始末できた。だが、代償も大きかった。

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