仲間の助け
人間の頭脳に匹敵する知能を持つ機械だ。標的を火炎放射器で焼き尽くすわけにはいかないのは理解しているようだ。それぞれの機体の両肩からレーザーキャノン砲が出現した。
パルマンにミハエルのような芸当はできない。どうにか破壊できたとしても、一機が精一杯だった。その間に四発のレーザーキャノンに全身を撃ち抜かれ、即死は免れない。そんな死の予感に襲われたときだった。
遠方のスナイパーライフルから放たれたプラズマ粒子の弾丸が、目の前の殺戮機兵の頭部を撃ち抜いた。
その機体は大きな音を立てて仰向けに倒れた。
アリシアが愛用するスナイパーライフルにはプラズマ粒子を増幅する装置が取り付けられていた。間を置かずに二発目が別の殺戮機兵の頭部を貫通する。
「アリシア――!?」
この隙を逃すパルマンではなかった。最後の一機の殺戮機兵の背後に回ると、二本の小剣を力強く刺した。すると、瞬時に虐殺ロボットの全身が氷で固まり、粉々に砕け散った。これで周囲を囲んでいた三機の殺戮機兵は全滅した。
パルマンは心の中で同い年の仲間たちに感謝した。
「ここまでは追って来ないみたいだな」
不意に姿を現したミハエルが周囲を窺いながら言った。
秘密結社の連中はリーダーが不在の状況で、これ以上の追撃を思い止まったようだ。
「今すぐにでも事件の詳細について知りたいところだが、お前はまずジュリーを家まで送ってやれ。ご両親からの厳しい叱責は覚悟しとくんだぞ」
「ああ」
その言葉を聞いた瞬間、気持ちが憂鬱になった。ジュリアナの両親は改造人間のパルマンと愛娘との関係を諸手で歓迎はしてなかった。
「本部にも必ず来いよ! 待ってるからな!」
倉庫跡地の出入口までたどり着くと、ミハエルはそれだけ言い残してアリシアのいる場所に向かった。
「パルマン!」
ヒュリエント社の倉庫跡地の出入口にいたジュリアナは、歓喜の声を上げながら力強く抱きついてきた。
「怖い目に遭わせて悪かったな」
「このくらい平気よ! あなたが必ず助け出してくれるって信じてたもの!」
「ああ、君のことは俺が命に賭けて絶対に守るよ! 約束だ!」
ようやく安堵の息を吐き出しながら、パルマンは決意を口に出した。
(君のご両親が今回の件を許してくれるなら――)
「パルマン、愛してるわ!」
「俺もだ。ジュリー」
少しの間、二つの影は重なり合っていた。




