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ブラッドサースティヴィーナス  作者: 檜鶯盈月
第1章 人質救出作戦
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死ぬ覚悟

 前後左右に複数の視界カメラが搭載された数機の殺戮機兵がミハエルを取り囲むと、四本の腕から一斉に灼熱の爆炎を放射する。それを瞬間転移して回避すると、そのうちの一機を背後から大曲刀で斬り伏せた。


 雷天の力によって、またもや黒焦げに燼滅(じんめつ)する虐殺ロボット。ただ、そのほんの僅かの間に逃げる二人を追走する数機の殺戮機兵がそのすぐ脇を駆け抜けていく。しかも、それだけではない。


 テント倉庫の中から、ゴルティモアの手下だった連中がレーザー光線式のマシンガンで撃ってきたのだ。


「チッ、さすがにこれ以上戦うのは無知なる者のすることか――」

 レーザー光線の弾丸が激しく飛ぶ中で、残りの殺戮機兵と戦うのは至難の業と言えた。


「パルマンたちさえ無事に逃がせれば、僕らが勝利したのも同然だ。この場は潔く退散させてもらおう」

 引き際を(わきま)えたミハエルは瞬間転移で姿を消すと、逃げた二人の後を追った。


 パルマンとジュリアナは必死になって逃げたが、改造人間(レプリカント)と普通の人間では足の速さに差が生じた。恋人を抱きかかえても良かったが、それでは万一の場合に手が使えなくなる危険性があった。事実、その危惧の念は的中した。


 どう考えても、ミハエル一人で全ての虐殺ロボットを相手にするには無理があった。三機の殺戮機兵が自分たちに向かって疾駆してきている。ここでの選択肢は二つあった。


 ジュリアナだけを逃がして自分が盾となるか、どうにかして二人で逃げ切るかだ。


 一番の標的はPUDを隠したコインロッカーのキーを持っているパルマンのはずだ。自分が残れば、恋人までは手を出さないだろう。一緒に逃げるよりかは恋人の生存率は格段に上がる。


 パルマンは両手でジュリアナを出入口のほうに押しやった。ところが、突然繋いでいた手を離された恋人は不安そうに立ち止まる。


「パルマン、どうしたの?」

「ここは俺が防ぎ切るから、君は外に向かって全力で走れ!」

「そんなの絶対に嫌! ほら、早く一緒に逃げるわよ!」

 愛しているだけにジュリアナはその場で駄々をこねた。自分がお荷物になっているのは十分承知の上での発言だった。

「傷つく君を見たくないんだ! 頼むから行ってくれ!」


 パルマンは大口径のプラズマ銃を腰のホルスターに戻すと、両手に氷天の力を宿した二本の小剣(グラディウス)を召喚した。


「早く!」

 大声で叫ぶパルマンの覚悟を決めた姿にジュリアナは円らな瞳を潤ませながら走り出した。

(これでいい……)


 殺戮機兵はもうすぐそこまで来ていた。

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