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ブラッドサースティヴィーナス  作者: 檜鶯盈月
第1章 人質救出作戦
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人の頭脳を持った虐殺ロボット

「あれは噂に聞く殺戮機兵(カルネージ)というヤツか? こうなっては仕方ない。この場は僕とアリシアに任せて、二人は早く出入口まで逃げるんだ!」

 銃身の長い二丁のプラズマ銃を持ったミハエルが言った。


「アリシアも来てるのか?」

 アリシア・アシュレイ。絶滅特殊部隊(アナイレート・フォース)隊員(メンバー)であり、凄腕の狙撃手(スナイパー)だ。もちろん、二人とも改造人間(レプリカント)でもある。


「ああ、そうだ! だから、心配は無用だ!」

 一般市民の恋人がいる以上、この場での戦闘は極力避けたかった。だが、仲間が二人も来てくれたことで心に少し余裕ができた。


「恩に着る! それと、お前の能力を活かすなら、二丁拳銃(ツーハンド)よりも砕珠(サイマナ)で戦ったほうがいい」

 風の噂だが、殺戮機兵は特殊合金で製造しているという話だ。ミハエルの銃身の長い二丁のプラズマ銃では(もろ)い部位の破壊ぐらいが精一杯だろう。


「それくらい言われるまでもない! お前らこそ、ボサッと突っ立っている暇などないぞ!」

 ミハエルは慣れた手つきで二丁拳銃をホルスターに戻すと、砕珠と呼ばれる天威(てん い)武器を召喚した。雷天の力を宿らせた大曲刀(シャムシール)だ。それを確認すると、パルマンは恋人のジュリアナと共に倉庫跡地の出入口に向かった。


 この場にいる全員が殺戮機兵を見るのは初めてだった。遠い昔に全て廃棄にされたと聞いていたからだ。ところが、何者かの手によって新たに製造されたか、破壊されないまま残存していた機体があったようだ。それも、どういうわけか秘密結社の手元にある。


 八機の轟炎羅刹(フレイムイービル)(タイプ)の殺戮機兵は重量感を感じさせない速度で追いかけてきた。四本の腕を手前に向けながら。


「ここから先は何も通しはしない!」

 放電する砕珠を両手で振り上げると、突然ミハエルは姿を消した。次の瞬間、目の前の殺戮機兵の真上に出現すると、大曲刀で一刀両断する。瞬間転移者(テレポーター)だからこそ成せる技だ。


 電流が(ほとばし)る中、殺戮機兵は黒々と焼け焦げて再起不能(スクラップ)になった。


 あっさりと一機が大破したことで、残存する虐殺ロボットは行動を切り替えた。ミハエルに向かう機体とパルマンたち二人を追う機体とに枝分かれしたのだ。


 それはまるで人間と同等の知能を持っているように思えた。

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