8話 寝起きのドッキリ!?ベッドでの攻防 ★(R-15 裸体イラスト有り)
その後しばらく会話を続けていたのだが、いつの間にか眠ってしまっていたようで気がつくと朝を迎えていた。
(ん……?なんだか温かいな……それに柔らかい感触がして良い匂いもする…)
ふと違和感を覚えて目を開けると目の前には大きな膨らみがあり、それが視界を覆っていたのだ。
しかも何やら柔らかい感触が顔全体にあるではないか!これは一体どういうことだ!?と思いながら視線を上に向けるとそこにはすやすやと眠る美しい少女の顔があった。
そこでようやく状況を理解することができたーー自分が彼女に抱きしめられているのだということをーー!
驚きのあまり声が出そうになるもなんとか堪えることに成功したため起こさずに済んだことに安堵すると同時に心臓がバクバクと早鐘を打ってしまう始末である。
「んん〜……」
すると目の前の彼女が小さく声を漏らしながらもぞもぞと動き始めたのでドキッとするも何とか耐えることに成功する。
しかし安心したのも束の間、なんとさらに強く抱きしめてきたのだ!そのせいで顔が完全に胸に埋まってしまい息苦しさを感じるほどだった。
(うむぅ!!気持ち良いが苦しい…いろいろな意味で頭がクラクラするぞ……!!)
このままでは窒息してしまいそうなので何とか抜け出そうと彼女の腕からそっと顔をずらしたが、今度は目の前の光景に言葉を失ってしまう。
ダビデの着ている浴衣が緩んでしまい、胸の谷間が露出してしまった上にそこから覗く白い素肌がなんとも艶めかしく見えてしまい目が離せなくなってしまったのだ。
眠った無防備な姿なので余計にそそられてしまう。
ゴクリと生唾を飲み込む音がやけに大きく聞こえた気がしたが今はそれどころではない。一刻も早くこの場を離れなければ取り返しのつかないことになってしまいそうな予感がするのだ。
(こ、これ以上はいけない……!早く離れなくては……!!)
そう思って立ち上がろうとするも何故か足に力が入らずよろけてしまった挙句、体勢を崩して倒れ込んでしまったのだ!
その結果、彼女の体に覆い被さってしまう形になってしまったことでますます状況は悪化してしまうことになる。
(あああああああっ!!!まずいっ!!!!誤解されてしまう!)
ただでさえ、昨日うっかりダビデの胸を触ってしまったのに、今のこの状況では言い逃れができないことは明らかだ。
最悪嫌われてしまうかもしれないと思うと気が気ではなかった。
ダビデを起こさないように慎重に体を離すことに何とか成功する。
そして布団をそっと彼女にかけて、露出している胸の谷間を隠すことに成功し、ほっと胸を撫で下ろすのだったーー
「ん………」
しばらくするとダビデが小さく声を上げ、ゆっくりと瞼を開けたかと思うとぼんやりとした様子でこちらを見つめてきたので慌てて目を逸らすことにする。
気まずい雰囲気の中、どうしたものかと考えていると不意に声をかけられた。
「おはようございます……」
その声にビクッとしながらも平静を装って返事をする。
「お、おはよう……」
ぎこちない挨拶を交わすと、気まずさを誤魔化すように明るい声を出すヤコブ。
「今日も良い天気だな!もう少ししたら朝食の時間だ、身支度をしようか」
そう言ってそそくさと洗面所へ向かうのだった。
***
宿屋の食堂で用意されている朝食は、様々な種類の料理が並べられ好きに皿に盛り付けて食べる形式となっているようだ。
パンやスープはもちろんのこと、肉料理や魚料理、野菜を使ったサラダ、果物やデザートなど種類も豊富で見ているだけでも楽しくなってくるほどだ。
「うわー、こんなに料理がたくさん…!」
「こういう提供の仕方もあるんだな、面白いな」
初めて体験するバイキング形式に興奮気味の2人だったが、まずは腹ごしらえということで思い思いに料理を皿に取り分けていくことにした。
子供のようにはしゃいでいるダビデの姿に微笑みながら自分も食事を楽しもうと考えるのだった。
「わあ、見てください!目の前で調理してくれる料理もありますよ」
オープンキッチンになっている厨房を指差しながらはしゃぐ彼女を見ていると自然と笑みが溢れてくる。
(本当に可愛いなあ……)
食べ残しは禁止されているので取り過ぎないよう注意して各々好きな物を選んでいくことになったのだが、どれも美味しそうなものばかりで目移りしてしまいなかなか決められずにいるようだ。
そんな姿に微笑ましい気持ちになりながら彼女に提案することにする。
「2人で少しずつ交換しないか?そうすればいろいろ楽しめるだろう?」
そう言うとぱあっと表情を明るくさせて嬉しそうに頷いてくれたのを見てこちらも嬉しくなってしまう。
(あぁ……やっぱり好きだなぁ……)
互いにそう思いながら食事を楽しむ二人であったーー




