7話 雪山の定番イベント 体温を分け合う2人 ★(R15 裸体イラストあり)
「……っ!!」
突然のことに驚き慌てるダビデであったが、すぐに冷静になり応急処置を施すことにした。
まず暖を取ることが最優先だと考えた彼女は毛布を取り出し、それを床に敷くとその上にヤコブを寝かせる。
(ご先祖さま……自分は男だからと私に防寒具を多く譲ってくれていた。だがあの吹雪、それにこの気温の低さで体力を消耗し体が冷えて弱ってしまったんだ!)
服も濡れていてこのまま着用するとさらに体を冷やしてしまう。本人に確認できないが背に腹は変えられない。ヤコブが着ている服を下着以外は脱がせ裸同然にした。。
このままでは死んでしまうと思い必死に彼の体を温めようとするダビデだったが、彼女の力だけではどうにもならない状態だった。
そこで彼女は考えを巡らせた結果、あるものを使うことにしたのだった。
(ご先祖さまを助けるためだ……恥ずかしいなんて言ってる場合じゃない!)
意を決した彼女は自分の衣服を脱ぎ始めると下着姿になった。そして次にズボンに手をかけるとゆっくりと下ろしていった。
(私の肌で……少しでも温まって欲しい……)
恥ずかしさのあまり目を瞑りながらもパンツを脱ぐと、一糸まとわぬ姿でヤコブの横へと横たわる。
そして自身の肌を彼の引き締まった肉体に押し当てたのだ!
互いの胸と胸が重なり、隙間がなくなるほど密着している。
彼女の豊かな胸が押し付けられたことで胸の形が変わるほど強く押し潰れているが本人は気づいていないようだ。
自分の体温で温めようと必死で抱きしめ、背中を撫でさすっているうちに彼女自身も極寒にかかわらず暖かさを感じ出し、肌を合わせることで体温を保つ効果を実感したのだった。
毛布を1枚床に敷き、もう1枚の毛布で2人一緒にくるまった状態となる。こうすることで寒さをしのぎつつ暖を取ることができるのだ。
(暖かい…さっきまで凍えそうだったのに。こうしてるとなんだか安心するなぁ……)
元は男だったダビデは、男とこうして直接肌を合わせるなど本来は抵抗あるはずだが、ヤコブに対しては嫌だと思わずむしろ安心感を感じることができた。
いや、それだけでなくある感情が芽生えつつあったのだ。それはーー
(ご先祖さまの体…引き締まってすごく逞しい。何だろう、さっきから心臓の鼓動が早い。それに…変な気持ちになってくるような……)
彼の厚い胸筋に顔を埋める度に心臓がドキドキしてくる。顔も熱くなり頭がボーッとしてきたような気がする。まるで酒に酔っているような気分だ。だがそれ以上にもっと彼に触れていたいと思ってしまう自分がいることに驚いていた。
(私は男だ…。男の裸なんて興味ない。だが…なぜご先祖さまだけにはこんな気持ちになってしまうんだろう?ずっとこうしていたい…このまま身を委ねてしまいたいという気持ちにさせられるんだろうか……?)
そんなことを考えていると、ヤコブの体が動き出す。
「ご先祖さま…!お目覚めですか?寒くないですかーーー」
ダビデは声をかけるがその問いかけは途中で止まってしまった。
何故なら目の前にあった彼の顔が突然近づいてきたからだった。




