表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
聖書のダビデ王、異世界にTS転生してしまう~ヒロイン力が高い元王様は先祖との禁断の恋が始まる~  作者: bpro@神話宗教創作してます
第7章 悪役令嬢と正ヒロイン(TSっ娘)
53/123

1話 悪役令嬢の登場? ★

翌日、ヤコブはマリカに会いに行くことにした。


昨日のラブホテルでの出来事もあり気まずさもあったが、それよりも早く杞憂を解消する方が優先度が高いと判断したためである。



待ち合わせの場所に着くとすでに彼女は待っていたようで手を振ってきた。相変わらず妖艶な雰囲気を漂わせている女性であると改めて思うのだった。



「アリエッタって令嬢?ああ、実は私も彼女のことを貴方に話すつもりだったの」


マリカ曰く、ダビデを敵対視してきたアリエッタという女性はシャファク王子の許嫁であり第一夫人となる可能性が高い令嬢だ。


だが決められた婚約であり、シャファクは他の女性と付き合ったり遊んだりと、彼女に目もくれないらしい。


そしてマリカの見立てでは彼女はシャファクに恋をしてしまっているのではないかということだった。


つまり嫉妬による嫌がらせなのだろうということだ。



「それはまた厄介な話だ……」

思わず本音が出てしまうほど辟易してしまう内容であった。


シャファク王子がダビデに夢中で求婚までしたからといって、ダビデを目の敵にするのは筋違いだろうと思うものの、目の前で取られてしまい嫉妬に狂う気持ちもわかる気もする。


だが、ヤコブはある考えを思いついていた。



(シャファク王子がそのアリエッタという令嬢に振り向けば良いのではないか……?)


そうすれば全てが丸く収まるはずだと思ったのだ。だが、そう簡単にいかないことはわかっていた。


他人の恋愛などコントロールできるものではないからだ。



ヤコブとダビデからすればシャファクのプライドを損ねずに求婚を断れればいいだけだ。


その許嫁である令嬢はヤコブには関係ない。だが彼女が王子を愛しているのは好都合ではないかと思いついたのである。


(上手くいけば彼女を味方に引き入れられるかもしれないな……)



「あら、お兄さん。悪い顔してるわよ〜♪」


マリカが揶揄うように話しかけてくる。


挿絵(By みてみん)


「貴方が考えてること何となくわかるわ。アリエッタさまがシャファク王子を好きなら、ダビデちゃんと王子に上手くいってほしくないはず。つまりこちら側につけることができるんじゃないかって思ってるんでしょ?」


まさにその通りだったので素直に認めることにする。


「悪くないんじゃない。それに…貴方の悪いこと考えてる顔、ゾクゾクしちゃう♡」


そう言って舌なめずりをする姿にドキッとすると同時に不安になる。



(この悪女め……)


意外とマリカと自分は似たところがあるのかもしれない。そう思うと複雑な気持ちになるが今はそれどころではないと思い直すことにしたのだった。





(あれは、ご先祖さまとマリカ殿…?)


ヤコブとマリカが笑って話しているのを偶然目撃してしまったダビデは、胸がチクリと痛むのを感じたのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ