表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
51/123

5話 真相

ヤコブはある企みに気づくのだった。


「マリカ……君が私を誘惑したのは…シャファク王子の差し金なのだろう?」



マリカを使って自分を籠絡させようとしているのは他ならぬシャファクではないかと疑い始めたのである!


(あいつならやりかねない!)


シャファク王子はダビデを寵愛し求婚した。

おそらく、ヤコブとダビデの仲を裂こうとしているのだろうと考えたのである。



「ふっ、図星のようだな!」


勝ち誇ったように言うヤコブに対し、マリカは一瞬驚いたような顔を見せたものの、すぐに笑顔に戻った。




「ふふふっ、バレちゃったわね♡」


悪びれた様子もなく認めるとゆっくりと起き上がるのだった。


「そうよ、私は国の諜報員。時に色仕掛けを仕掛けて情報を収集することもあるわ。王子に、貴方を誘惑して落とすように言われたのよ」


やはりそうだったかと納得すると同時に怒りが込み上げてくるのがわかった。



(女性の貞操を汚させて私を罠に嵌めようとするとは…卑劣な手を使いおって!)


「まさか見破るとはね。私の負けよ」


あっさりと認めたことで拍子抜けするヤコブ。



「だけど、貴方と寝たいと思ったのは本心だったのよ?良い男だと思ったからつい本気になっちゃった」


そう言ってウインクをする彼女を見て思わずドキッとするのだった。


(くっ、なんて女だ……!)


女の武器を最大限に利用してくるあたり恐ろしい相手だと思わざるを得ないのだった。


だがここで負けるわけにはいかないと思い直す。




「君は任務を失敗すれば不利益になるのではないか?私と手を組まぬか?」


王子直々の命令に失敗したとなればマリカの評価も下がることだろう。

そしてヤコブとダビデは、王子の求婚を角を立たせずに交わしたい。


利害一致で協力できるのではないかと持ちかけることにしたのだ。



「あら、貴方…。柔和かと思ったのにちょっと悪い男なのね♪」


そう言って妖しく微笑む姿は男を惑わす小悪魔のようだった。


「草食系のわりに腹黒くて、そういうギャップ嫌いじゃないわ。その話乗らせてもらうわよ」


こうして、2人は秘密裏に協力関係を結ぶことになったのである。


だが、一つだけ約束があったーーー



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ