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5話 秘密の密会

ベランダに誰かが来ているらしい。

ダビデは警戒しつつ近づいていくとーー




「え・・・ご先祖さま!?」


窓の外にいた人物はなんとヤコブだったのだ!! 驚きつつも急いで窓を開け彼を招き入れる。


「ご先祖さま…!帰ってこられたのですか?」

「いや、まだ帰ることはできない。休憩時間に抜けてきただけだ。お前が食欲があまりないと、マリカに聞いて心配になって来たんだよ」



諜報員の女マリカが戦場にいるヤコブに伝えたようだ。


「ご先祖さま……大変な時にありがとうございます!」

「どうした?いつもより元気がないようだが何かあったのか?」


ダビデは王子に求婚されたことをかいつまんで報告した。



「私は……結婚などしたくありません…!ご先祖さまと一緒にいたいです……」


よほど感情を抑えていたのか、感極まった様子で涙を浮かべている。


涙ながらに訴える姿を見てヤコブは胸が締め付けられるような思いに駆られた。




ダビデにとって王子と結婚し王族に入る方が幸せではないか、彼女はそれを望むのではないか?


そう葛藤していただけに、彼女の本音を知ることができて嬉しかったのだ。



涙を流して結婚したくないと訴える彼女の姿。

そして自分と一緒にいたいと言ってくれたことーー


一気に胸が熱くなり感情を抑えられなくなってしまった。


気づけば彼女を抱きしめていた。



そしてそっと口付けをする。触れるだけの優しいキスだった。


彼らにとってキスは慣習であり親愛の意味である。だが恋愛的意味合いでキスをすることも当然ある。


ダビデは前者だろうと当然のように思っていた。

だが下半身に何か違和感を感じたような気がした……。




「そうか。お前がそう言うなら結婚などさせぬ。戦いが終わったら2人でどうするか考えようじゃないか」

「はい…!ご先祖さま、どうかお気をつけて。早く収束することを主に祈っております」


2人は笑顔で見つめ合う。


「そうだ。作ってきたんだが食べるか?戦場だから簡単なものしか作れなかったが」



そう言って包みを開けると中からパンが出てきた。一口サイズに切ってあり、中にはチーズやハムが入っていた。


「うわあ、いただきます!」

まさか差し入れまで持ってきてくれたとは思わずダビデは感激してしまう。


いつものようにおいしそうに食べる姿を見てヤコブは戦場の疲れを癒されていた。



***


思わぬヤコブとの再会に、ダビデの心は晴れやかな気持ちになっていた。


ふと、下着が湿ったような感覚を覚える。



(また濡れたのかーー?一体何なんだろう。女の体はよくわからんな)


疑問に思いながらパンツを履き替えるのだった。

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