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1話 同性愛は禁止です! ★

突然シャファク王子からプロポーズされたダビデは困惑していた。


挿絵(By みてみん)


「ま、待ってください。私の信仰では同性愛は禁止されております」


動揺のあまり、ダビデはうっかりそう口走っていた。



ダビデ達の信仰では同性愛は神から禁止されていて罪とされていた。

すなわち神に背く行為となってしまうのだ。


シャファク王子はキョトンとした顔をした後に笑い出した。


「やだなあ、貴女は女性ではないですか。まるで自分を男かのように言うなんて……」


そう言ってダビデの肩を抱いてくる始末であった。



(いや、確かに今の私は女だが、私は元は男だったわけで。いや、女であれば同性愛には当たらないのか?え?どっちなんだ?ええいややこしい!!!)


混乱した頭で必死に考えを巡らせるが答えが出ない。思考がぐるぐる回るばかりだ。


そんな様子を見たシャファクはクスクスと笑うばかりで一向に手を離す気配がない。


ダビデは何とか冷静になろうと努め、すぐに答えは出せないと保留を申し出た。

本当はすぐ断りたかったが彼はプライドが高そうなタイプだと直感で感じたからだった。



「少し時間をくださいませんか?」

それを聞いたシャファクは笑顔で頷いた。


「わかりました。良い返事をお待ちしておりますよ」

2人は別れ際に軽く握手をして別れたのだった。




(どうしたらいいんだ。ご先祖さまに報告しなくては…)


ダビデはそう思っていたが、すでにヤコブと引き離されてしまっていたことを知らなかった。


***


一方その頃、ヤコブの方はというとーー


「え!?魔物の大群が出没している!?」


隣国の王様から呼び出されて話を聞いていたところだった。

隣国の兵士達と共に戦ってほしいと依頼されたのだった。

隣国の王は申し訳なさそうな顔をしていた。


「実は国境付近に魔王軍が現れたのだ。奴らの目的は我が国にあると言われている伝説の宝石のようだが……どうか力を貸してもらえぬか」

「なるほど……承知しました」


ヤコブは少し考えた後、了承することにしたのだった。


緊急事態のためすぐに出動することになり、隣国の兵士と一緒に戦うことになったのだった。



(ダビデはどこだ?)


女性とはいえ強い冒険者であるダビデも当然戦いに参加するだろうと思っていたのだが姿が見えず心配になったのだった。


「私の従者であるダビデを探しているのですが」

「ヤコブ殿。我が国第一王子シャファクさまはダビデ様を妻に迎え入れたいそうです。まだ決定しておりませんが王子の婚約者になるかもしれない御方。戦場に連れて行くのはよくないかと存じますので安全な場所に避難させましたぞ」

「な…何だと…!?」


ダビデが王子に求婚されたーー?

兵士から衝撃的な知らせを聞いて愕然とするのであった。

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