表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
38/123

7話 まさかの求婚!?

隣国に向かうダビデとヤコブの2人は、一旦昼休憩を取ることにした。


ヤコブが作った今日の弁当は、異世界の料理である、細かく柔らかくして捏ねて焼いた肉を丸いパンの間に野菜やチーズと挟んだものであった。


いわゆるハンバーガーである。


「わあ、これはおいしそうですね…!」



女性が食べるにしてはやや食べづらそうだが…

しかしダビデは構うことなく、紙に包まれたそのハンバーガーを大きく口を開けて


ガブリ!!っとかぶりついた!



(もぐもぐ……)

口の中に広がる肉汁やソースの味に舌鼓を打つ!


女の子にしては少年のように豪快な食べっぷりだ。

だがそれが魅力的に映るのだった!



「美味しいです!すごく柔らかいんですね!」

目を輝かせながら感想を伝える様子はまるで子供のようであった。


(ふふ…豪快だな。だがそれが良い…!)


その様子を見ていたヤコブは心の中でそんなことを思いながらニヤニヤとしていたのだった。


そんな風にささやかな幸せな時間を過ごしていた2人だが、引き裂かれることになる出来事が起きようとしていたーーー




隣国に到着した2人は城の使いに出迎えられ城へと案内されたのだがーー


そこで待っていた人物は、第一王子であるシャファクだった。


「ダビデさん。ご機嫌麗しゅうございます。今日も美しい…。貴女に会いたかった」


(またこいつか……)

ヤコブは、歯の浮くセリフを並べるシャファク王子に内心うんざりしていた。



だが相手はこの国の王子様なので無下に扱うわけにもいかない。仕方なく愛想笑いを浮かべつつ挨拶を返すしかなかったのである。


「失礼、ヤコブ殿。僕はダビデさんに大事な話がある。席を外していただきたい」

「え…?」


ダビデは戸惑っていたが渋々従う他なかった。





シャファクと2人きりになったダビデは、いかにも王子らしく気品ある立ち居振る舞いをし、絵に描いたような美男である彼は、自分がよく知っている誰かにどことなく似ていることに気付いた。



それはーーー生前で息子であったソロモンだった。

ダビデの次に王位を継いだ聡明な息子に、彼は少しだけ背格好や雰囲気が似ている気がする。



「あの…話とは?」

ダビデは怪訝そうにシャファクに尋ねる。


すると彼は信じられない言葉を返してきたのだーー




「僕と結婚していただけませんか?貴女を妻にいただきたい」

「…………は??」


突然のプロポーズに目を白黒させるダビデだった。



(何だと…?私は男なのに、男に求婚されただと!?)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ