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17話 初夜の翌朝

「あの…キングソロモンさま。我々をずっと査定していたそうですが、監視されていたということでしょうか?」


いくら高次の存在だと言われても隠れて自分達を見られているというのは気分が悪いものだ。


それに、今後自分達の情事を見られるかもしれないと思うと耐えられないのも無理はないだろう。


するとソロモンは笑いながら答えた。


「いや、私達マスターはそんなに暇ではないし覗きをするような悪趣味はありませんよ。私の開発した魔法を使い、人工知能が査定を自動で行なっているのです」


人工知能…現代の世界でいう「AI」のようなものだ。


AIが代わりに査定をし、行動だけでなくどんな感情かなども自動で分析しているらしいのだそうだ。


ヤコブとダビデにも当然プライバシーの権利はあるのでAIに任せれば彼らのプライバシーも守られるということなのだった。


「まあ、たまに私も遠くから様子を見守っていましたがね。ヤコブ殿が鼻の下を伸ばしているところなどね。

プッ…いや失礼」


ニヤニヤしながら言うソロモンに対してムッとするヤコブ。


だが自分はそんなに腑抜けた顔をしていたのだろうかと恥ずかしがっていた。


(確かにダビデは可愛いからな……仕方がないよな……うん)


そう自分に言い聞かせていたのだった。


〜〜〜〜


(人工知能魔法か…私にはよくわからんが。しかしあのキングソロモンとかいう奴、やはり只者ではないようだな)


そう思いながらヤコブはゆっくり起き上がる。朝食の準備をするためにダビデより早く起きることが多かった。



(さあ今日は何にしようか…)


そんなことを考えながら台所へ向かう途中、ふと昨日のことを思い出してしまい顔が熱くなるのを感じた。


(いかんいかん!何を考えているんだ私は!)


ブンブン頭を振って煩悩を振り払った後、気持ちを切り替えて朝食の準備に取り掛かることにしたのだった。



ベッドで眠っていたダビデは朝日を浴びて目を覚ます。朝型なのでいつも起きるのは早かった。


(う……ん。今日も良い天気だな)


気分良く目を覚まして大きく伸びをする。




ふと昨夜のことを思い出す。

ヤコブに服の上から愛撫され下着越しに責められ、女の快感を知ってしまったこと。


初めて味わう未知の感覚に戸惑いながらも何度もイカされてしまったことを思い返し、恥ずかしさのあまり枕に顔を埋めるダビデであった。


(あんなところを触られてイッちゃうなんて……!しかもあんなに乱れてしまって……うう……思い出すだけで恥ずかしい……)


顔を真っ赤に染めながら足をバタバタさせるダビデだったが、おいしそうな匂いを微かに感じてハッと我に返る。


どうやらもう朝ごはんが出来ているようだ。


(うわあ、良い匂い…!早く顔を洗って着替えるか!)


彼の作る食事が大好きなダビデはすぐにベッドから飛び起き洗面台へと向かった。



「お、おはようございます」

「おはよう、ダビデ」


昨夜のことがあったからかお互いにぎこちない挨拶を交わす二人であった。


だがすぐに互いに笑い合い、いつもの調子に戻ることができたようだ。


「今日のご飯は何でしょう?楽しみです!」

「ふふ、今日はお前の好きなシチューだよ」

「やったー!!」


子供のようにはしゃぐ彼女を見て微笑ましく思うヤコブだった。

それから二人は仲良く食事をするのだった。



(ああ、幸せだなあ……)


そんなことを思いながら食べる料理はとても美味しく感じた。今までで一番幸せな時間かも知れないと思ったほどだった。

読んでくださってる皆さまありがとうございます。

当小説はリアクションのお気遣い無用です。読んでいただけることが有難いと思ってます。


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