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14話 魔法マニア登場!?

目が覚めるとそこは元の空間に戻っていた。


「あ……あれ……?」

2人は起き上がると辺りを見渡す。


そこにはキングソロモンの姿はなく、2人がいた場所に戻っていた。



「戻ってきたようだな…。ダビデよ、私と結婚してほしい」

「はい。ヤコブさま」


2人は見つめ合い微笑み合った。

こうして2人はめでたく夫婦となったのだった。



「さあ、家に帰ろうか。ダビデ」

「はい…あ、待ってください。馬を置いて行くわけにはいきません」


ヤコブはマジックカーでここまで来たが、ダビデは馬に乗ってきたためマジックカーで帰ると馬を置き去りにしてしまう。


馬も大事な仲間なので置いていくわけにはいかない。仕方ないのでヤコブが馬で帰ろうかと思案しているとーー



「フォッフォッフォ!そこのお二人さん。こんな辺鄙な場所に来るとは珍しいの。それもずいぶん熱い抱擁と接吻を交わしておったのぉ…」


ヒヒヒーン!


後ろから唐突に男の声がすると同時に、馬の蹄の音と声がしたので振り返るとそこにいたのは白馬に乗った老人だった。


老人は髭を蓄えており、白髪で立派な白いひげを生やしている。そして上半身裸の格好で下半身には腰布を巻きつけているだけの格好をしていた。


その出立はかなり奇抜なものだったが、不思議と違和感はなくむしろ様になっていた。


「誰だ貴様は?」



急に現れた見知らぬ男に警戒する二人。


「儂の名はザガン。魔法マニアとも呼ばれておるわい。まあただのジジイじゃがの!フォッフォッフォ!」


そう言って豪快に笑うザガンと名乗る男。


(こいつが魔法マニアだと!!)



ダビデが性転換魔法を受けようとしていた人物のまさかの登場だった。


だがダビデは女性として生きていくことを決めたので、性転換魔法はもう不要である。


「お主ら……何か重要な使命を持っておるようじゃの。それもこの世界に関わることじゃな?」


ザガンと名乗った男は鋭い眼光で二人を見据える。


まさに先程、この世界を救うという、彼らの神から使命を与えられたばかりの二人だ。この老人はそれを見抜いたというのか?

魔法マニアだけあって只者ではないようだ。



「ザガン…殿。貴方の仰る通りです。と言っても何をどうすればいいか検討もつかないですが…」


「フォッフォッフォ。この儂もお主らとは縁がありそうじゃのう。ところでお主ら、めでたいことでもあったのか?随分熱々の様子じゃないかい?」


そう言うとニヤニヤしながら二人の顔を交互に見つめる。


「そ、それは……」

顔を赤らめながら俯くダビデ。その様子を見てますます機嫌がよくなるザガン。どうやら恋愛話が好物らしい。



「私達は夫婦になることを決めたのです」

「ほう、それはそれはめでたいことじゃのう!では儂から祝い代わりに魔法を授けてやろう」

「そ、そんな!ですが有り難い。良ければこちらをお納めいただけませんか?」


ダビデは荷物からとっておきの酒を取り出すと、そっと差し出した。



「おおっ!こりゃまた上物じゃあないか!いいのかい!?こんなに良いものを貰っちゃって!!」


そう言いながらも満面の笑みを見せるザガン。相当嬉しかったようである。


性転換魔法を受けるためには手ぶらで行くわけにもいかず、サイラスからの情報で好みの酒を用意していたのだった。


だがそれも無用の長物となってしまうところだったのでどうせならと差し出してみたのだ。


「ええ、構いませんよ」

「そうかい!そいつはありがたいねぇ!遠慮なく頂くとしようかね」


ザガンはダビデを気に入ったようだ。

馬を連れて帰ることをどうするか話し合おうとしていたことを打ち明けると、ザガンはこんな提案をしてきた。


「なあに気にするでない!聖獣化魔法を授けてやろう。動物を聖獣化させれば一緒に乗っていけるじゃろうて!」


なんと『聖獣化』の魔法まで教えてくれると言うのだ。小型の聖獣化をしてマジックカーに乗せれば馬も一緒に乗せて帰ることが容易になるだろう。

また元の姿に戻すことも可能とのことだ。



(これは思わぬ収穫だな)


2人は心の中でガッツポーズをしたのだった。

それからザガンの魔法講義と伝授を受けた後、二人は家路についたのだったーー

読んでくださってる皆さま、誠にありがとうございます。


当小説はリアクションのお気遣い無用です。読んでいただけることが有難いと思ってます。

ですがブクマや評価は励みになります。⭐︎1から歓迎です。

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