表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
114/123

13話 愛の魔法

こうして衝撃の事実を知らされた2人。

さらにキングソロモンはこう告げた。


「あなた方は課題を達成し試験に合格した……と言いたいところなのですが」

「!?」



まだ何かあるのだろうか!? 2人が固唾を吞んで見守る中、キングソロモンは告げる。


「課題を達成できたあなた方に神から使命が与えられました。その使命とは・・・『この世界を裏で支配している闇の精霊組織を突き止め、この世界を支配から救う』というものーー!」


((…………えっ!?!?))



なんと!?まさかの大役であったーー!!!



「お…おい!この世界を裏で牛耳る闇の組織と対峙するなど並大抵ではないぞ!私達だけでは手に負えぬ問題だ」


ダビデは動揺のあまり声が震えてしまっているが無理もないだろう。



冒険者として魔物退治をしたり国から受けた依頼をこなすのとは規模が違う。

あまりにスケールが大きい話である。


この世界において国認定とはいえ冒険者の1人に過ぎない自分達が世界を救うなど荷が重過ぎる話だ。


しかしそんな不安そうな彼らにソロモンは言った。


「……まあ、そうでしょうね。あなた方2人では成し遂げられないでしょう。ですがあなた方を助けてくれる協力者の力を借りていけば不可能ではないはず。そしてこの世界にはまだまだ未知の可能性があります。封印された魔法や宝具など……。道のりは長いでしょう。ですがあなた方なら成し遂げてくれると信じています!それにあなた方には神の守護がついていますしね。頑張ってください」



選択肢などないことを2人は悟った。

やるしかないのだろう。神が与えた使命を果たすしかないのだ。


そして改めて思ったことがある。

神は我々のことをよく観察しているのだなということと、我々は試されているのかもしれないということだ。



「まあ時間は嫌というほどあるので、この世界を楽しみながら日常をを送ってください。あっそうだ。私から贈り物を授けましょう。あなた方がよりこの世界を幸せに過ごせるようにとっておきの魔法を差し上げますよ」


そう言うとソロモンは中指にはめていた指輪を光らせる。


その光は2人を包み込んだーーー


「これは『愛の魔法』です。愛を永続的に保つことができる代物です。この力があればお互い愛し合う者同士ならば永遠に別れることなく結ばれることができますよ」


キングソロモンはソロモンの指輪の持ち主だが、指輪を応用して新しい魔法を開拓する趣味があったのだ。



「愛の魔法ーー?」


ソロモンが開拓した愛の魔法ーーー


それは、互いの絆を深めることで永遠に結ばれるというものだった。


一度発動するとその効果は永続的に続き、どちらかが死ぬまで解除されない。


男女の愛というものは友愛や家族愛に比べると不安定で移り変わりやすく壊れやすいものだと言われている。

しかし、ソロモンの開発した魔法はその概念を打ち壊すものであったのだ。



相思相愛の、いわゆるラブラブ状態が持続する夢のような魔法なのだ。

もちろん性欲も変わらず、飽きることはありえないだろう。


それでいて、恋を越えた愛を深めていくことも同時に可能となるのである。

まさに究極の愛の形であった。



だが、ずっと添い遂げる覚悟が必要となり、さらに誰でも発動するわけではなく真に互いを愛する者同士でしか使用できないという制約があった。


一時的な、中途半端な気持ちでは条件を満たせないのだ。


その点において、ヤコブとダビデの相性は抜群だったと言えるだろう。


お互いが相手を心から信頼し愛し合っているからこそ、この魔法を使うに値すると判断されたのだろう。


この判定は指輪によって行われる。

誤魔化しもまやかしも効かないのだ。


指輪による判定は絶対であり、仮に指輪の効果が切れても何度だって再使用が可能だ。



「この魔法は誰でも使えるわけではありません。いわばこの魔法がなくとも添い遂げられるような2人でないと発動しない。つまり、お互いの愛情と絆が試されるということです。あなた達は指輪が認めたのです」


ソロモンは笑顔で言った。


(この感情がずっと続くーー?私のダビデへの想いが永久に続くのか?)


そう思うと、心が熱くなるのを感じたーー


「さて、話は以上となります。そろそろ時間ですね……」

すると突然視界がぼやけ始めるーー


「!?」

「な、なんだ?何が起こっているんだ!?」



2人の意識はそこで途切れたのだったーー

読んでくださってる皆さま、誠にありがとうございます。


当小説はリアクションのお気遣い無用です。読んでいただけることが有難いと思ってます。

ですがブクマや評価は励みになります。⭐︎1から歓迎です。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ