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12話 異世界転生の真相

「そしてヤコブ殿。貴方は生前、愛する妻ラケルだけを娶ることができず彼女を悩ませてしまったことに深い後悔を抱いていました。貴方も罪の意識に縛られ、ダビデ様同様に魂の神格化を阻まれてました。そこで、今度こそ1人の女性を愛し抜くこと。これが貴方の試練でした。ですがそれだけでは簡単すぎるのである事柄を査定に入れておきました」


今度はヤコブが呆然とする番だった。



「それは何なんだ!?」

「はい。婚前交渉をしないこと。側室を作らないこと。容姿で愛さないことです。貴方はダビデ様に惹かれ、性欲との戦いを余儀なくされ、危うく婚前交渉や側室にする誘惑に駆られていましたね。ですが貴方は打ち勝つことができた!いやー、危ない時が何度かあったのでヒヤヒヤものでした。プッ…ククッ……!」


おいこいつ、今笑わなかったか…?

一瞬ムッとするヤコブだが疑問をぶつける。


「ですが…私はダビデを愛してますが正直に申しますと彼女の容姿に惹かれたところが大きいのです……!それなのに試練を達成できたのでしょうか?」


「おや…気付いてないのですか?確かに貴方はダビデ様の容姿…顔や豊満な体を愛しているでしょう。ですが彼女の内面に惚れ込んでいるのですよ?それこそ、彼女の人柄や生き方、考え方、信念といったものまで全て」

「!!!」



確かに最初はダビデの裸をたまたま見て意識するようになり、その豊満な胸や形の良い尻など完璧な肉体と可愛い顔に惹かれるようになった。


だがーーー



いつも自分の作った料理をおいしそうに食べてくれるところ、素直な性格、男勝りなところ、揺るぎない神への信仰心、一緒にいて楽しいところ、見ていて退屈しないところ、真面目なところ、優しい笑顔……


挙げればキリがないほどに好きになったのだ。



ああ、そうか。彼女の内面にこんなに惹かれていたのかと今更ながら気付かされたのだったーー!!



そんな様子を見たキングソロモンは満足そうに微笑むと言った。


「ほら見なさい。もう答えが出ているじゃないですか!」



それからソロモンは最後にこう告げたのだったーー



「さて、これで私からの課題は終わりました。貴方達にはこれから異世界ライフを満喫してもらいます」

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