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7話 衝撃の事実発覚

ヤコブは思わず間の抜けた声を出してしまった。

あまりにも予想外すぎる告白だったからだ。



(今何て言った……?男の……何だって??)


思考が追いつかず混乱していると彼女は構わず話を続けた。



「信じられないかもしれませんが本当なんです……生前の私は男……。王妃ではなくイスラエル国王だったのです」



ダビデは泣きそうな顔になりながらも必死で言葉を紡ぐ。

そんな彼女の様子を見ていたヤコブは驚きのあまり言葉を失っていたがようやく我に返ったようで口を開くことができたのだった。



「……つまりお前は元々男で、この世界に来て女に変わってしまったということか……?」


確認するように尋ねると彼女は小さく頷き、そして手を地に着けて土下座のような姿勢になったかと思うと深々と頭を下げながら言った。



「騙すような真似をしてしまい申し訳ありませんでした!!でもどうかお許しください!どうしても言えなかったのです!!」



泣きながら謝罪の言葉を述べる彼女を呆然と見つめていた彼だったが、やがて慌てて我に返ると言った。


「顔を上げてくれ、別に怒ってはいないから」



その言葉に恐る恐る顔を上げると不安そうに見つめてくる彼女と目が合う。その美しい瞳からは大粒の涙がこぼれ落ちていた。

それを拭ってやりながら優しく語りかける。



「騙されたなど思っておらん。もちろん驚いたがな。それに……」

「…………?」

「それは生前の話だろう?この世界のお前は、女ではないか」


そう言ってヤコブは照れくさそうに笑うとそっと抱きしめてやった。



「あ……」


突然のことに驚く彼女だったがすぐに身を委ねるようにして体を預けていく。その温もりを感じているうちに自然と涙が溢れ出してきたので嗚咽を漏らしながら泣きじゃくった。



しばらくの間そうしていたが落ち着いたところで体を離すと改めて向かい合う形になる。

お互いに見つめ合ったまま沈黙が流れる中、先に口を開いたのは彼女の方だった。



「隠していてごめんなさい……でもどうしても言い出せなかったんです……」


涙声で言う彼女に微笑みかけながら彼は答えた。


「気にするな。言い出せない気持ちはわかるからな。だが……なぜお前は魔法マニアの所に行こうとしてたんだ?」



ダビデの秘密を知り彼女の密かな悩みを知ることはできたが、まだ問題が解決していないことに気づいていた。



だからこそ敢えて尋ねてみたのだが、返ってきた答えに脳が凍りつきそうになるのと同時に心臓が止まりそうになるほどの衝撃を受けるのだったーー



「・・・・・それは・・・性転換魔法を受けるため、です……」

「え・・・・・」

読んでくださってる皆さま、誠にありがとうございます。

今月末よりいいね受付停止が廃止されリアクションボタン実装が強制的になるようです。


当小説はリアクションのお気遣い無用です。読んでいただけることが有難いと思ってます。

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