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8話 異世界で初デート?(前編)

ダビデが夢に出て欲情してしまったことに罪悪感を感じるヤコブだが気を取り直して朝食の支度を始める。


昨夜残ったスープを活用した料理だ。


鍋の中に切った食材を入れて煮込んでいくと食欲を刺激する匂いが立ち込める。

塩で味付けをし出来上がりを待つ間、昨日採取した山菜とキノコ類も焼いていくことにした。こちらもいい匂いを漂わせている。


そんな時であったーーーー



ぐぅ〜〜〜〜〜〜っと腹が鳴る音がしたかと思うと恥ずかしそうに俯くダビデの姿があったのだ。

どうやら空腹に耐えかねたらしい。


ヤコブは微笑ましい気持ちになると同時に自分が作った料理を振る舞う機会が来たことが嬉しかったようで、自然と笑みが溢れていた。



いつものように食事前に神への祈りを捧げ、2人で向かい合って座り食事を始めた瞬間のことだった。


パクッ……モグモグ……。ゴクリ……!



「美味しいです!!」

一口食べるなり目を輝かせながら感想を口にする彼女に驚きつつも嬉しく思うヤコブ。

彼は満足そうに頷くと自分も食べ始めた。


「昨日のスープを別の料理にするなんて思いつきませんでした。本当に料理がお上手なのですね」

「はは。料理というのは奥が深いものだよ」


2人は和やかな雰囲気の中食事を楽しんだのだった。


***


「ところでご先祖さま。我々はこの世界に来て今日で6日目です。安息日を取らなくてはならないですね」

「安息日…ああ、そうか。我らが主が世界を作り7日目に休息されたからな」

「この世界は我々の世界とは別の世界。暦も違うし曜日もありません。なので7日毎に安息日を我々で設けるべきだと思うのです」

「……ふむ」


(確かにその通りだな)


「私達はこの6日間、仕事に明け暮れそれなりに稼ぐこともできた。明日は休みにしよう」

「はい、ご先祖さま」



翌日ーーー


朝早く起きて身だしなみを整えた二人は、拠点となる街で家を借りるため不動産屋を訪れたのだった。


冒険者ギルドなどで情報収集をし、冒険者登録をしていれば家を借りることもできると知ったからだ。


2人で暮らせれば広さは問わないと伝えつつ条件に見合う物件を探すこと数件目にしてようやく理想の家を見つけることができたのである。


部屋を借りることができたので早速中に入ってみることにする二人。


内装や家具などは自分たち好みのものを選ぶことができるというサービスもあったおかげで想像以上に素敵な部屋になったと思う。


広い庭も付いているしこれなら野菜などを育てたりすることもできるだろう。


とりあえずの生活基盤が確保でき2人は安堵するのだった。




「さて、今日は休みだが遊びに行かないか?」


ヤコブはダビデを遊びに誘った。すると彼女は嬉しそうな表情を浮かべると即答したのだ。


「はい!喜んでお供いたします」

こうして2人の初デート(?)が始まったのであったーーー

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