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7,的当てゲーム

 大盛況のうちにコンサートは終了しました。三人があいさつしてステージを下がると、司会の黒岩三太郎が上がってきました。

「いやあ素晴らしい演奏をありがとう。どうだったね、しょくん? わたしのセンスもなかなかのものだろう?

 さて。

 ではこれよりガンバロー会のメインイベントを始めたいと思う。

 今年のゲストたちよ、入りたまえ」

 広場からは天使とぬいぐるみたちが退場し、かわりに白い服を着た30人のお父さんお母さんサンタたちがおっかなびっくり周りを見上げながら入ってきました。

「ほらほらえんりょしてないで、真ん中に集まりたまえ。よろしい。ではアシスタントくん」

 若いサンタのお姉さんが車に乗ったガスタンクを引っぱってきて、つながったホースの先のラッパを集まったパパママサンタたちに向け、ぎゅっと握りを握りました。するとラッパからシャボン玉がふくらんできて、それはどんどん大きくなっていって、パパママサンタたちを包み込んで、まだまだ大きくなりました。シャボン玉は広場のはばいっぱいになって、すると中のパパママサンタたちはどんどん小さくなっていって、半分くらいの大きさになってしまいました。

「よーし、そのくらいでいいだろう」

 三太郎の合図でお姉さんサンタが握りを放すと、シャボン玉はラッパを離れ、ふわーっと天井に上がっていって、天井に当たるとぼよ〜んと弾んで戻ってきて、床に降りるとまたぼよ〜んと弾んで、天井に向かいました。中にいる白サンタたちはそのたび「ボヨ〜〜ン」と跳ねて、シャボン玉の中であっちこっちに飛んで、大騒ぎしました。

「さて標的の準備はできた。サンタしょくんの準備はどうかな?」

 三太郎が言うと、なんと、サンタクロースたちは全員大きなオモチャのピストルをかまえました。ボールを発射する先がラッパみたいに広がったピストルです。赤サンタも黒サンタも、みんな楽しそうに意地悪な笑顔を浮かべています。まだ若いサンタから、お爺ちゃんお婆ちゃんサンタまで赤サンタも黒サンタもみんなです。まあっ、オモチャとはいえサンタクロースがピストルをかまえるなんて!

「これまでの対戦成績は989対620で黒サンタチームの圧倒的リードだ。今年はどうかな? 赤サンタしょくん、せいぜいがんばってくれたまえ。それでは始めるぞおー」

 ステージの上に大きな砂時計が運ばれています。

「15分間1本勝負だ。よおーーい・・・、始めっ!!」

 砂時計がひっくり返されるとサンタたちはいっせいにシャボン玉の中で跳ねている白サンタたち向かってピストルを撃ちました。ポンッと飛び出たのは赤と黒のボールです。ボールは外れると消えてしまいましたが、白サンタに当たると、パンッと割れてボールの大きさの赤または黒の色を白い服につけました。赤サンタ、黒サンタ、どっちが多くの色をつけられるか競争です。

 ところで標的にされた白サンタたちですが、ボールが当たると・・

「うひゃひゃひゃひゃ、うわっ、なんだこりゃ、かかかか、かゆ、かゆい! うう〜、か、かゆくてたまら〜〜んっ!!!」

 そう、ボールが当たっても痛くないかわりに、もうれつにかゆいのです。当たれば当たるほど、

「ひ〜〜〜、かかか、かゆい〜〜〜〜っ!!!」

 と、もうどんどんどんどんかゆくなっていくのです。うーん、これはたまりません。見てるだけでこっちもかゆくなってきます。

 白サンタたちはこれはたまったものじゃないとシャボン玉の中をボールをよけて必死に逃げ回りました。赤サンタ黒サンタは大喜びで上に下にぼよんぼよん弾むシャボンの中の的をねらいうちました。ああ、子どもたちのアイドル、サンタクロースが、なんてことでしょう!

 見るに見かねて天使の女の子が一人自分のお父さんお母さんを助けるためにシャボン玉の中に飛び込みました。ほら、あのステージの前でヴァイオリンを弾いていた子です。女の子にはボールが当たってもはじけるだけで何もおきません。でもシャボン玉は上に下に弾んで、白サンタたちはボールをよけて大騒ぎなので、とても自分のお父さんお母さんを守りきることはできません。でも、他の天使たちも、動物のぬいぐるみたちも、応援するためシャボン玉の中に飛び込みました。

 天使の女の子が発見しました、バトンやハケでうまくボールを打つと、ボールは発射したサンタクロースのところに戻っていくのです! しかもボールがぶつかったサンタクロースは

「うひゃひゃひゃひゃあ、これはたまらん!」

 やっぱり白サンタたちと同じようにかゆくて大騒ぎするのです。これを見て天使と動物はよお〜しと思いました。動物たちもパンチとキックでボールを打ち返せるのです!

 赤と黒のボールが飛び交い、もう大混戦です。

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