8-2日目 真面目不真面目夏目
「あの〜、先山先輩」
「ん、どした?」
「先山……松岡さんと何があった」
私と夏目さんは取り敢えず先山さんに聞くことにしました。松岡さんに聞くほど覚悟決まってないですし。
「……お前らが思ってるような面白いことは何もねぇよ」
「「えーー」」
「えーじゃねぇ!さっさと仕事するぞ」
「……」
チラッ。
(夏目さん!先山さんは私が食い止めるから今のうちに!)
(うん、わかってる。松岡さんに聞いてくる)
「あ、そうそう。先山さんって彼女とかいないんですか?」
「はぁ?別に今はいないぞ」
「い、今は……!?」
「……」
どうやら、咲桜はうまくやってるっぽい。
「松岡さ……愁香さん」
「あ、遥ちゃん!やっと名前で呼んでくれた!!でも、サボりは駄目だよ?」
「さぼってるんじゃなくて、社内コミュニケーション……ってやつ?だから。お客様もいないし、ちょうどいいよねー」
名前で呼んだのは、そっちのほうが仲良し感がでるからだったり。
「まぁ、遥ちゃんは抜けてるところあるけど、人一倍の働きしてるから、ちょっとぐらい休んでも給料分の仕事はしてるからね。
いやぁ、羨ましいよ。その仕事に対する才能と精神」
「……」
うれしい……けど、はなしはまだしてない。
「あの、愁香さん」
「何?遥ちゃん」
「先山と何があったの?」
「へぇー!テンチョってそんな感じで奥さんと……!」
「そういうの憧れるっていうか、ロマンっていうか……夢がありますね。運命の赤い糸みたいな」
「「先山くん(さん)が……運命の赤い糸って言った……!?」」
「怒るぞ十時」
「嘘ですジョーダンです」
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次回へ続く