二日目 話をする名無したちの箸
「ててててーんてーんてっててーん」
「どうした急に勝利のファンファーレ鳴らしやがって」
「いえ、さっきのクレーマーさんの対応を見事にこなしましたので」
「それはお疲れ様だが、勝利のファンファーレ口ずさむ程ではないだろ」
「チッチッチ……それが実は……」
回想入るよ!
「え、何この『回想入るよ!』って。ねぇ、なに?」
「うるさいですよ、先山さん」
「……」
今度こそ回想だよ!
「だ〜か〜ら!なんでこの肉は焼けてるのに冷えてるの!?」
(お肉焼いたあとこのお客様たち話してたもんなぁ。箸止まってたしなぁ。これって晒していいタイプのクレームかなぁ……)
「えー……あっ」
私はちょうど近くを通り過ぎようとしていた罪のないテンチョを……
呼び止め
置いて
仕事に戻ったのであった……。
「店長ぉぉぉぉ!?おまっ、店長に何やってんのさ!」
「いやぁ、私もしかしたら召喚士の素質あるかもしれませんね」
「いやいやお前にガードなんてつかねぇよ」
「……先山さんは通さない(ボソッ」
「聞こえてるからな?」
「いやぁ、変わったお客様だったねー」
キッチンに入ってきたのはテンチョ……名前はまた今度だね。先山さんの紹介もあるし。
「十時さん、俺の扱い酷くない!?」
「またなんか変なこと言ってるし……」
「あ、テンチョテンチョ。対応ありがとうございます」
「いや、言ってくれればやるのに……何で無言で置いていくかなぁ」
「あ、上がりなんでお先に失礼しまーす。お疲れ様でーす」
「「酷っ!!」」
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次回へ続く
~人物紹介~
先山 螢
性別 男 年齢 21 誕生日 5/28
好きな言葉『新諦』
座右の銘『逆をやって自分を変えていこう』