10日目 学校に通う十時 咲桜
「十時」
「ん?なんでしょーか先生」
授業が終わり、朱鷺子と話そうと思ったのだが先生に呼び止められてしまった。
「バイト、大丈夫か」
「……はい、全然問題ないですよ」
「そうか、それなら良かった。あとこれ、夜終に渡しといてくれ」
「わかりました」
先生は纏めた髪を揺らしながら去っていった。
先生は私の事情をしる数少ない人。なにかあっても他人事で割り切ってるところがあるからみんなからは嫌われてるけど、私の場合はアレだからありがたい。変に同情される方が嫌だ。
「とっきこ〜。ほれ、プリント」
「ありがと。……おお、再々テスト確定だ」
「おめでとう」
「どやぁ」
……おめでたいのは朱鷺子の頭かもしれない。
「それで、今日はバイトだっけ」
「いや、今日は休み。久しぶりに二人で寄り道でもしていく?」
「もちろんだよ!!」
まぁ、その前に再々テストがあるんだけど。
「いやぁ、あの後また2回落ちるとは思わなかったよ」
「うぅ……面目無いです」
「朱鷺子って勉強以外はなんでもできるのに勉強だけ何故かできないよね」
「うぅ……面白く無いです」
「あはは、そうだ。今度の小テストに向けてカフェで勉強しようよ」
「え!いいの!?」
露骨に喜ぶ朱鷺子。ここまで喜ぶとは思わなかった。
「もちろんだよ。さ、いこいこ」
「うんっ!!」
時々、朱鷺子のことが心配になる。勉強ができないからじゃない。私に依存し過ぎているところがあるからだ。
朱鷺子には私以外の話し相手がいない。私以外を相手にすると、他人行儀になる。
(私がどうにかしないとだよなぁ……)
そう思いつつも勉強を楽しんでしまうのでした。
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次回へ続く




