表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
clover00  作者: 群青 坊哉
2:間章 … 声
4/15

(00)

 それは、黒と白の世界。

 境目は曖昧。

 君に導かれて辿り着くことが出来た、唯一の場所。

 存在を許された空間。




 そういえば、もう随分前から意識がはっきりとしない。

 感覚は、まるでない。

 まるで夢を見ているよう。


 あれから一体どれくらいの間、自分はこうしているのだろう。


 鮮やかな空の青。

 緩やかな白の流れ。

 世界を染め上げる紅い光。

 闇の中を瞬く、ささやかな輝き。


 まるで、海の中にいるかのよう。

 泳ぐ事もなく、ただ、ゆらゆらと揺れて、水面に映る景色の変化を眺めている。


 薄桃色の花びらが舞い。

 猛烈に照りつける日差しを浴び。

 色鮮やかに発色したかと思えば、徐々に色を無くしていく植物達。

 やがて。

 灰色の空から降りてくる真白に成す術もなく染め上げられてゆく。


 当然であるかのように一つの狂いもなく順に繰り返す。

 まるで、終わりの無い紙芝居のよう。

 泳ぐ事も出来ずに、ただ、ゆらゆらと揺れて、水面に映る風景の移り変わりを眺めている。


 光は差すのに、温かさを感じない。

 揺れる緑は映るのに、大好きな風の匂いも感じられない。

 なにもかもが薄ぼんやりとした退屈な世界ろうごくの中で、しかし、何故か音だけは、はっきりとしている。

 声だけが、ここまで届く。

 だから自分は、気だるさにも似た穏やかな流れに身を任せながらも、大好きな彼らの喧騒をこうして眺めている。




 君の声が聞こえる。

 響いては、心魂を打つ。

 だからまだ、この願いは途絶える事もなく。

 自分は、ここに在るのだと思う。



挿絵(By みてみん)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ