何が転移だよ、たたっ斬るぞ。
ちょっと書いてみたいなーと思い投稿した次第です。
至らぬ所多々ありますがどうぞよろしくお願いします。
嗚呼、憂鬱だ。月曜日というモノはどうしてこんなにも憂鬱になるのだろう。早く家に帰って寝たい。
いや、確かまだあのゲームをやってなかったな。よし、帰ったら即効ゲームして寝よう。
「おはよーっす」
「おーう、連。はよっす。」
今挨拶を交わしたのは数少ない友人の一人、世良海斗だ。小学校の頃からの共に学んできた唯一無二と言ってもいい友達である。
「なあなあ、連。昨日のアレ見たか?」
「おうおう、アレだろ?面白かったよなー」
「だろ?特にアソコとかがさー……」
あー……こうして話しているだけで癒されるぅ……
海斗は口調はアレだがいわゆる男の娘なのだ。その整った顔立ちに似合うショートヘアは萌える。本当に海斗を友人に持って良かったと思う。
いや、もちろん俺はノーマルだがな?誰に言うわけでもないがそこの所はハッキリさせておく。
「ちょ、なんだよコレ!」
突然生徒の一人が叫んだ。それを皮切りに周りもなにかに怯えるように騒ぎ出す。
そこでようやく気づく。床が異様な光に包まれていることに。
よく見ると魔法陣のような文様が浮き出ている。
「うわっ、なんか光ってやがる……なんだこれ……」
「異世界召喚ってやつじゃねえか?」
ラノベでよくあるパターンだしな、と俺は続ける。
「だとしたらとんでもねえ事だけどな……なのにお前随分落ち着いてないか?」
「それを言うなら海斗もだろ?俺は結構特殊な家柄だからな。慣れてる慣れてる。」
「何処の世界に異世界召喚を慣れてる言える家があるんだよ!」
ごもっともです。でもどんな特殊な状況でも驚かなくなってしまったからな。
俺の家、御剣家は少し……かなり?変わってると言うか……どう説明すればいいだろうか。まぁ、それは今はいいか。それよりコレをどうするかだ。
生憎俺は家に帰って積みゲーを消化するんだ。異世界召喚なんて誘拐紛いのことされて人生の貴重な時間を魔王討伐などに当てていられるほど暇ではない。
教室の扉……ダメだ、都合よくロックされてやがる。
窓……こっちもか、なら椅子で割って……無理だな、謎バリアがかかってる。
換気扇……外して入るまでの時間なんてあるか?
アレなら行けるか……?しかしアレをここで使うのは……いや、積みゲーの為、そして今日の安眠の為、掟なんぞクソくらえだ。
「御剣家、御剣連の名において召喚を命じる────現れよ、修羅の大剣。」
床の光とはまだ違った赤い光が俺の手に収束し───一メートル程の無骨な大剣が現れた。
そしてその腹をを力任せに窓に叩きつける。
金属を擦り合わせたような音が鳴り響き、何かに弾かれた感触が手に伝わる。
「ッチ……謎バリアか……」
「いや、サラッとやったけどお前今とんでもないことしたよな!?」
海斗が驚いてるがそれは今はどうでもいい。どうやって壊すか……
“連鎖”を使うか……いや、“修羅”でも壊せなかった謎バリアだしな……それに連鎖の特性上……
どうやって壊すか思案していると突如床が今までより眩く輝き始めた。
……はぁ、ゲームオーバー、か。俺の積みゲー……
「おい!説明しろって……うわあああああ!!」
そうして俺達、二年二組は異世界に転移した。