☆どこに行こうか?
アスタールの服破損事件の後、彼の服の破損についての誤解を解くのは一苦労だった。
「あれは、昔のマンガを元ネタにした、製作者側のお茶目で……。」
「オチャメ?」
「おおう。えーと……冗談?」
「ジョーダン」
「悪ふざけ?」
「ワルフジャケ」
「あーうーむーん???」
最終的に、悪戯だと説明したら納得したのにはなんだか釈然としないものがあったけど、きちんとしたニュアンスは通じないらしいと諦める事にした。
でも、なんだか途中から理解した上で揶揄ってた気がしないでもないんだよねぇ……。
わたしの表情をみながら、楽しそうに片耳がピコピコしてたから!
作れるだけ物を作ってギルドに納品してみたら、手元には10万を超えるお金と、大量の経験値。
一気に商売人のレベルが私は11、アルは7になりましたとさ☆
納品クエ、ウマー!
そして、メイン職とそうじゃない職の経験値効率が地味に大きいね。
後、納品クエを沢山こなしたついでみたいな感じで、アルもわたしも商売人ギルドのお墨付きを貰った。
他の職業についている場合、いつでも商売人をメインに変更できるようになるって代物だ。
地味に素晴らしい。
でも、一気に納品クエをやったせいで、何回クエをこなしたから貰えた『お墨付き』かが全然分からないという……。
他の職にも早く変更できるようにしたいから、何回こなせばお墨付きが貰えるのか後で調べてみる必要があるかなぁ……。
なにはともあれ、アルとわたしのお着替えを作る為に頑張ってたのもあって、裁縫スキルはLV4。
LV2で縫えるようになった布帛に加えて、LV3ではニットを。
更にLV4になったら皮革や毛皮を縫う事までできるようになった。
これで革製の防具っぽいものや革ジャンなんかも縫える♪
後、お着替えを作る途中で気晴らしに手を出した紡績スキルはLV3になった。
スキルも、LV3までは割と楽に上がるんだよね……。
LV4からは必要な熟練度が上がってくるから、もう少し時間がかかりそうだ。
ちなみに、紡績スキルLV1で出来るようになるのは毛刈りと鞣し。
LV2でフェルト作成。
LV3になってやっと、毛糸を紡ぐことが出来るようになる。
布が織れるようになるのって、一体LVいくつなんだろう?
まぁ、暇を見て毛糸を増やして行くことにしよう。
毛糸があるって事は、多分、編み物のレシピも出てくるはずだし。
編み物が創れる様になったら、アルのイニシャル入りのマフラーを作ってあげるのだ☆
確か、『アスタール・グラム』だった筈だから、『A.G』でいいんだよね?
「しかし、生産施設で素材の預かりをしてくれるのは助かる。」
「ほんとだよねー!
使う時に施設内のどこにいてもすぐに取り出せるのとか、めちゃくちゃイイ!」
しかも、リアル1日につき1種類あたり100G。
リアル1時間がゲーム内の1日だから、24日間のお預かりでこのお値段だ。
最大10種類しか預かってはもらえないものの、これがめちゃくちゃうれしい。
だってね、アルの解体レベルが上がったお陰で、小動物解体出来るようになったからと言って今まで狩り貯めてきたウサギを解体してくれたんだけど……。
なんと2人合わせて、ウサギ貯金が400羽越えていた為、解体後には800kg余りのウサギ肉と、
400枚のウサギ皮が出来ちゃってたのだ。
コレを全部預かってくれて、2種類200Gも全然高くは無い……!
というか、万が一PKに持ってかれたり、モンス相手に死に戻ってロストしたりとかしたら、泣くに泣けない量だよね?
ちょっとだけ、これを消費するのにどれくらいかかるかと、遠くを見てしまった位だし。
服の替えもいつでも作れるようになったから、次は調理の熟練度も上げよう。
煮込み料理とか、大量消費できそうだしね!
ウサギのホワイトシチューとか美味そう。
それがいい、それがいい。
「ところで、貯金した上でログイン時よりも所持金が増えてしまったのはどうしたものか……。」
「いっそ、もう一回貯金できるとこまで増やすか、開き直って出掛けちゃうか……?」
「街に籠ってばかりというのもどうかね?
折角だから、二人で外に出掛けたい。」
「確かに、生産施設ばっかりも飽きちゃうもんね。」
所持金を気にしつつも、外に出たいと即答したアスタールに手を引かれて、思わず笑い出してしまう。
確かに、二人で遊べる時間は限られてる事だし、ここは彼の希望通りにすることにしよう。
「今日の残り時間で往復出来そうなのは、シュタール村・トハイザー村・インキール村の3つみたい。」
「ふむ。
どれか行ってみたい場所はあるかね?」
「ちょっと北西にあるシュタール村は果樹園があるみたい。
トハイザー村は近くの森での狩猟が盛ん。
インキール村はちょっと遠くて、農村って書いてあるね。」
門の近くにある近郊の地図を見上げながら、今は二人して、出掛ける先について悩んでる。
今は狩猟はどうでもいいかなー、と思わないでもない。
ウサギの肉が大量にあるし?
となると、果樹園か農村の方かなー?
アルの方をチラリと窺うと、「君の好きなところで。」と先に言われてしまった。
「んじゃ、シュタール村で!」
「では、北門のからの方が良さそうだ。」
「だねぇ。」
アルそっと差し出してきた手を握ると、わたし達は早速北門へと向かった。
2018/6/2 加筆・修正を行いました。




