第七話 引き取った勇者
※性的表現があります。苦手な方は飛ばしてくださいますようお願いします。
勇者の回復を引き受けたものの、男の口や尻に指を突っ込む趣味は無い。どうしよう?こっそり始末したほうが良いのだろうか?
そう悩みつつも一応、現在の怪我の状態を確認してみた。植物状態と聞いていたのだが、包帯で全身をグルグル巻きにされてミイラ男状態である。まあ、この状態で運んだのだから知ってはいたものの。改めて見ると酷いな・・・
「あ、あの。す、すみません!」そう言って、キャスが深々と頭を下げて謝る。まあ、正当防衛の結果とは聞いてはいたものの。ここまでひどい状態だと過剰防衛だろうな。
「うん。終わったことはしょうがないから、とりあえずこの包帯取ってみても良い?」
「え?は、はい。別に皮膚がただれているわけではないので、取っても大丈夫です。勇者というのを隠そうと思って巻いてあるだけですし」
「え?そうなの?じゃあ、何をして植物状態になったの?」
「えっと、その・・・。延髄蹴りが綺麗に決まりまして・・・」
「え?延髄折っちゃった系?」と、延髄がどこかわからないけれど驚く。骨って、結構固いから、蹴りで折れるって相当なものらしいんだけどなぁ・・・
延髄がどの辺なのか教えてもらったところ、どうやら後頭部のすぐ下の首の骨の事らしい。なるほどねぇ。こりゃあ、植物状態にもなるわぁ。
包帯を取ってみると、首の後ろが浅黒くなっていた。って、あれ?女?
「え?勇者って、女なの?」
「え?は、はい。言っていませんでした?」
「うん。聞いていない。男に治癒はちょっと厳しいものがあるなぁ。と、悩んでいたんだけど」
「えっと、なんかすみません。確かに、勇者というと、男のイメージがあるかも知れませんね。でも、召喚された勇者たちはこちらとあちらの国それぞれで100人ずつの計200人も居ますからね。男だけじゃなくて、女もいるみたいです」
「で、なぜかこの女勇者に襲われたと?」
「は、はい。なんか、ツルペタエルフキタコレ?とか叫んでいました」
「そ、そう・・・」
どうやら、エルフ萌えのオタク女子っぽいな。まあ、見た目は悪くないので、治癒行為に支障はないな。ただ、意識が無いのにあそこに何をぶっ刺すのもアレなので、指くらいにしておいてあげるかな?前のほうが効果は早いけど、結構深く刺さないと効果がなさそうだから、お尻にしておくか。
包帯を取って、すっぽんぽん状態でうつ伏せにして、延髄の状態を見ながら、お尻に指を挿し込む。そのままだと挿し辛いので、お尻をちょっとあげた状態だ。つまり、色々丸見え状態なのだが、角度的に私には見えていないので大丈夫だ。ただ、キャスが真後ろになぜか居て、丸見え状態なのを「うわー。うわー」と言いながら、指を咥えてみているのだが。
最初は指一本だけ挿し込んで様子を見ながら治癒をしていたのだが、二本挿すと効果が早まるかな?と、思い。二本挿してみる。ちなみに指には油を塗って、挿し込みやすいようにしてある。うむ。二本のほうが効果あるみたいだな。よし!三本入れちゃろ。
さすがに三本はきつかったので、しっかりほぐしながら四本にも挑戦する。なんか、キャスが顔を真っ赤にしながら興奮している気がするが、こっちは健全な治癒中である。
「う、ううん・・・」
お?女勇者に反応がある。延髄の部分の黒いのもだいぶ消えてきた。さすがに四本挿しは効果が抜群だ。
「は、はうん」
なんか、女勇者の呼吸が荒くなってきた。どういうことだろう?まさか、治癒の効果が薄れているのか?慌てて指をより深く挿し込む。
「あっーーーー!!!」
あれ?なんか、女勇者がびくんびくんと体を震わせたあと、ぐったりとしてしまった。
「あ、あの・・・」
「え?何?いまそれどころじゃないんだけど。おーい。大丈夫かー!?」
「いえ。だから、その・・・」
「しっかりしろー!」
「だから!それ、ただ絶頂に達しちゃっただけだと思います!」
「え?あ・・・。そういうことね・・・」
どうやら、やり過ぎてしまったようだ。治癒の効果が無いのかと思ったら、とっくに治っている状態で、指をぐいぐい挿し込んじゃってしまっていたらしい。お尻で達するって、よくある事なのかな?
怪我の治療が終わったので、後処理をキャスに頼んで自分の部屋に戻る。
「ユーロ様?一体何をされていたんですか?」と、笑顔が怖いリサが部屋で待ち構えていた。
「え?治癒をしていたんだよ?」
「何やら、エッチな叫び声が聞こえた気がするんですけどね?」
「それは、その・・・。治癒が終わっているのに気が付かないでやり過ぎちゃった?みたいな?」
「へえ~。そうなんですかぁ~」
もちろん納得されておらず。私にもと、要求されたものの。安定期に入っていない妊婦に何するわけもいかず。指だけで我慢してもらった。もちろん、リサの後にメルとカエデも待ち構えていた。
翌朝。
「ひ、ひぃぃぃぃぃぃぃ!!!!」
誰かの叫び声で目が覚めた。女勇者を寝かせてある部屋辺りから聞こえたので、とりあえず女勇者の部屋に入ってみると、部屋の隅っこで震えている女勇者が居た。その反対側にはキャスが寝ている。昨日は後処理を任せたのだが、そのまま付き添っていたのか。でも、まあ。自分を死ぬ一歩手前にした張本人が横で寝ていたら、そりゃあビビるよねぇ・・・
「えっと。勇者さん?落ち着いてください。このエルフはもうあなたに何もしませんよ~」
「ほ、ほ、本当に?」そう言いながらも、体ががくがくと震えている女勇者。死の恐怖ってこういうことを言うのかぁ・・・。って、感心している場合じゃないな。
「はい。ちゃんと反省していますし。そもそも、さっきまであなたの看病をして付き添っていたのは彼女ですよ?」
「え?そ、そ、そうなの?と、いうか。あなたは?」
「えっと・・・。あなたの怪我を治した者で、ユーロと言います」
「ユ、ユーロさんも勇者なんですか?」
「いえ。たぶん違います」
「で、でも。治癒魔法使えるんですよね?」
「勇者って治癒魔法が使えるんですか?」
「・・・いいえ。そういえば、使えませんね・・・」
「勇者は魔法を使えないんですか?」
「は、はい。勇者と言っても、レベルを上げたら身体能力が上がるくらいで、魔法は習得できません」
「そうなんですかぁ。それで、あなたのお名前は?」
「え?あっ!そ、そうですね。わ、私はた・・・。いえ。フラワーです」
「日本人ですよね?」
「え?は、はい。日本を知っているんですか?」
「はい。見ての通り。私も日本人ですよ?」
「え?で、でも。さっきは勇者じゃないって・・・」
「はい。勇者とは別口で転移してきた日本人です。まあ、転生を二回経験しているので、元日本人とも言えますけどね」
「え?転生を二回?え?でも、その姿は・・・」
「はい。三回目は転移だと思うんですけど、なぜか見た目が日本に居た頃に戻っていまして。原因もわかりませんし、悩んでも仕方がないので、そちらも気にしないでください」
「いえ!気にしないでください。って、無理です!だ、だって、あなた。治癒魔法が使えるんですよね?」
「え~。まあ。そうですけど、魔法と言っても、そんなに便利なものじゃないですよ?相手の体の中にこちらの指なり、何なりを挿し込まないと効果がないですし」
「え?指?何を挿す?え?」そう言って、自分の下半身に手を当てるフラワーさん。
「すみません。お尻に指を挿しました。あくまで治癒の為ですので、ご容赦ください」
「お、お尻に・・・。ゆ、指?」そう言って、顔を真っ赤にするフラワーさん。
「それより、フラワーって、偽名ですよね?本名はたで始まる名字で、名前は花さんか、花子さんですかね?」
「んなっ!」顔を真っ赤にしたまま慌てだすフラワーさん。
「まあ、同じ日本人ですからねぇ。確かに異世界に来て日本名を名乗るのは少し恥ずかしいかも知れませんが。この世界の人たち。割と日本名っぽい名前の人が多いですよ?特に人族は」
過去に召喚された勇者たちの影響なのか、日本文化がかなり入っている。まあ、言葉自体が完全に日本語だしなぁ。
「え?そ、そうなんですか?」
「え?むしろ、なんで知らないんですか?一年前にこっちに来たんですよね?」
「えっと・・・。その・・・。実はエルフが居ると聞いて、一年前に王都を飛び出しまして・・・」
「ということは・・・。ほとんど何も知らない?」
「・・・はい」
う~む。これは、思ったよりも情報が少ないみたいだなぁ。
「あ、あの・・・。そ、それよりも、お尻に指を挿したって・・・」
「そこに戻っちゃいますか・・・。えっと、まあ。その。三、四本ほど」
「ふぁっ!?」そう言って、顔を真っ赤にして固まるフラワーさん。
「ん?あれ?ユーロ様?どうしたんですか?」そう言って、キャスが起きた。
「ひっ!」大丈夫と言ったのに、反応してより縮こまるフラワーさん。
「あっ!元気になったんですね!良かった~!」そう言って、フラワーさんに抱きつくキャスさん。あ、フラワーさん。若干にやけているも、顔が青くなってきた。嬉しさと、恐怖の板挟み状態かな?
「ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい・・・」
なんか、ブツブツとつぶやくように謝罪するフラワーさん。恐怖が勝ったようだ。
「えっと。キャス。離れたほうが良いよ。フラワーさん・・・女勇者さんは、怪我のショックで君に対してとてつもない恐怖を感じるみたいだから」
「ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。フラワーなんてふざけた名前じゃないです。本当は花子と言います。かっこつけてごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい」
どうやら、本名はたで始まる名字で花子というらしい。田中花子じゃないよね?まあ、下の名前だけでも良いかな。どうせ、異世界では名字なんて重要じゃないだろうし。
「花子さん。落ち着いてください。キャス。良いから離れて」
「ひっ!お、お尻に指の人・・・」
うっ。なんか、私も恐怖を植え付けてしまったのか?あれ?でも、今度は顔が赤くなっている。
「あ、あの・・・。また挿しちゃうんですか?」
「へ?いえ。もう大丈夫ですよ。怪我は治りましたし」
「・・・そうですか」なぜか残念そうな顔をする花子さん。まさか、お尻に目覚めてしまったのだろうか?
「もしかして、昨日のこと。途中から記憶あります?」
「まっ!ま、ま、まさか!き、記憶なんて、な、ないですよ!そ、そんな。お尻に何か凄いのが挿されていたなんて!し、知りませんよ!」
明らかに記憶があるなこりゃ。
「気持ちよかったですか?」
「ええとっても。って、何を言わせるんですか!」
「見ていましたけど、凄かったですよ」
あ、キャス・・・空気呼んでこうよ・・・。今それ言ったら・・・。
「ちょっ!見ていたんですか!?ど、どこから!?」
「えっと、その。真後ろから?」
「そ、それって、丸見えじゃないですか!エルフに私のすべてを見られたなんて・・・。もう、お嫁に行けない!エルフさん。責任を取って!」
「お断りします!」
「え?」
「私はそこにいらっしゃるユーロ様の奴隷ですので。ユーロ様の許可なく結婚なんてありえません。というか、おばあちゃんにしっかり夜伽もするように言われていますし」
「え?どういうこと?奴隷?夜伽?」
「えっと。君を引き取るお礼でね。でも、たぶん奴隷というのは、彼女の祖母が彼女を外に出したくないと言いだしたことで、本気じゃないと思うよ?」
「いえ!私のすべてはあなた様のものです!」と言って、私に抱きついてくるキャス。
「えー!ちょっと!羨ましいぞ!けしからん!なら、もっと私に指を!」
「指を?」
「えっと、その・・・。はっ!?わ、私もあなたの奴隷になれば、エルフさんと同じ立場に!」
「なぜそうなる!?」
「ふっ!私の貞操を奪った罪。そして、救ってくれた恩。これはもう体で返すしか。ぐへへ」
「ちょっと待て!花子さん。あなたはエルフ萌えのレズじゃ?」
「えっと、そうだけど。それはそれ。これはこれということで」
「いや。わからん」
「あなたの指のテクニックで陥落したという事で」花子さんは顔を赤らめながら、恐ろしいことを言う。
「ご主人様。さすがです!」キャスはわかっているのか、尊敬するまなざしでこちらを見ている。
「もう。あなたの指から離れられないわ・・・。ぽっ」と、顔を赤らめる花子さん。
「なんか、逃げられそうにないな・・・」
こうして、奴隷としてなぜか私の下についた勇者花子。その後、リサとメルとカエデにむちゃくちゃにされた。抗議とは名ばかりの夜の奉仕活動を・・・
方向性。あっているだろうか?感想が無いので、適当に進めています。つまり、感想の内容によってはシナリオが変化することも!?
活動報告も時々更新していますのでそちらにコメントでも良いですよ?チラ
あ、あと。延髄についてですけど。正確には脳の一部らしいです。延髄を折るとか言ってますけど、脊椎と勘違いしてます。主人公はその辺の事を知らないので、適当に言ってるだけですので間違っているわけじゃないです。それと、キャスが延髄蹴りを知っているのは、過去の勇者が伝えた技だからです。名前の意味とかは良くわかっていません。この辺が延髄と言うのだろう。と言う感覚です。