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いせてん!白黒大戦!  作者: 遊路
第二章 魔王編
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第十五話 やり過ぎた結果




 メイドこと、カリン21歳。人族でショートヘアの似合う笑顔のかわいい子とイデアと一緒になって一晩中、楽しんだら私から「離れたくない」と言って、しがみ付くような関係にまで発展したところで、王の使者が呼びに来た。とりあえず、カリンは帰りに話し合う事を約束して、イデアを残して謁見の間に向かう。召喚されたのは私だけなので、イデアを謁見の間に連れて行くことはできないのだ。


「イナホ村のユーロ殿。王の前へ!」


 王様の横に居る。文官なのか、補佐官なのか良くわからない人が大きな声で、謁見室に入った私を王様の前に来るように指示を出した。正直、宮廷作法なんて知らないので、適当に王様の前に行って、片膝立ててひざまずいた。


「よく来たな。ユーロよ」


 王様はいかにもと言う感じの風格で、白いひげを生やした爺さんだった。思っていたよりも歳を取っているなぁ。と思いつつも、何かしゃべらないといけないのかな?と思い。返事をする。


「召喚に従い参上致しました。御用は何でございましょうか?」


「うむ。実はな。そなたが魔王と噂になっておってな。顔を見て観たかったのじゃよ」


「・・・」


「冗談じゃよ?本当はな。そなたの功績を認めて、イナホ村の村長として正式に認めるようにサクラちゃんにお願いされてな」


「サクラちゃん・・・ですか?」


「うむ。イナホ村の前村長の母親じゃよ」


「ああ。おばば様の事でしたか」


「サクラちゃんは若い頃は本当に美しい人でなぁ・・・」


「おほん!陛下。昔話は別の機会にお願いします」


「・・・なんじゃ。つまらんのぅ。それでじゃ。イナホ村の近くに新しい村が出来ておるそうなのじゃが・・・」


「ああ。モンムス村ですね」


「モンムス村?なんじゃ?そんな名前になっておるのか?」王様は横に居る補佐官?に聞いてみる。


「いえ。村に名前が付いているというのは初耳ですね」


「最近決まったという事かのぅ。それで、そのモンムス村の管理も一緒に任せたいのじゃがな」


「えっと、イナホ村と隣村も。ですか?」


「うむ。そなたの能力は日雇いギルド長から聞いておる。大丈夫じゃろ?」


「どのように聞いているかはわかりませんが・・・。まあ、モンムス村のまとめ役とはそれなりに関わり合いがありますので、大丈夫だとは思います」


「うむ。助かる。さすがに見ず知らずの者を村長にするわけにもいかんから、王都から人を出そうとしたのだが、モンスターだらけと聞いて嫌がってしまってな・・・」


「別に害はないんですけどねぇ・・・」


「なんでも、かわいい娘の姿をしているんじゃろ?」


「そうですね。見た目はかわいいですね。まあ、モンスターなので、怒らせると大変なことになりますけど。この間も、夫婦げんかで石にされてしまった夫がいまして。幸い、翌日には戻ったんですけど」


「石にか・・・。かわいい見た目に騙されると痛い目を見るというわけじゃな・・・」


 王様。ひとりくらい側室に迎え入れようかな?とか思っていたのかねぇ・・・


「陛下。次の公務が控えていますので・・・」


「う、うむ。それでは、詳しい事は担当官がおるのでその者に聞くと良い。頼んじゃぞ」


「はっ!」それっぽく頭を下げて、王様が退室するのを待ってから、謁見の間を出た。


 客室に戻ると、カリンがイデアに覆いかぶさっていた。あら、いつの間に主導権を取れるまでになったんだ?


「戻ったよぉ~。たぶん今から人が来るから、ふたりともさっさと身なりを整えるか、別室で続きをしてね」


「ふぁっ!?ユーロ様?いつの間に!」


「あ、あの。これはその」


「いいから。早く動く!隣の部屋はメイドの控室だっけ?そっちに行ってなさい」


「「は、はい!」」イデアとカリンは素っ裸のまんま、隣の部屋へと駆け込んで行った。続きをする気だな。


 そうこうしていると、ドアがノックされる。


「どうぞ」


「失礼します。陛下から村運営の説明をするように仰せつかりました。ソウリュウ・タケイと申します」


 タケイさんから、村運営についての注意事項や納税についてなどを聞き、書面も用意してくれていたので、それを頂いてから村に戻る事となった。ようはイナホ村とモンムス村の人口を報告して、一人当たりの税を計算し、その分の税を毎年一回納めるようにするということだ。それ以外の事は許可を取らないでも、畑を大きくしたり、森を開拓したりしても問題ないらしい。ただ、人口が一万人を超えるようであれば、街に昇格となる為に税率やら、王国からの監査官が来たりやらと色々増えてくるそうなので、そこに気を付けるように言われた。


 まあ、しばらくの間はおばば様に指導してもらうと思うから、なんとかなるかなぁ。名目上の村長として、実務はアリサに任せるというのも手かな。前村長の嫁として色々わかっているだろうし。


 村に帰る際。カリンが城勤めを辞めてついて来た。そんな簡単に辞められるの?と思ったのだが、重要な役職で無いものはあっさりと辞めることは可能だそうだ。ただ、その場合は二度と採用されないそうだが。カリンは「ユーロ様とイデアが居るところであればどこへでもついて行きます!」と意思は固いようだ。


 村に帰ったら、キャスたちにブーブー言われて、一晩中相手をする羽目になったが・・・


「ユーロ様!大変です!」


「ん?アリサ?どうしたの?そんなに慌てて」


「モンムス村に勇者たちが押し掛けているそうです!」


「え?まさか退治に?」


「いえ。それはまだわかりません。すぐにモンムス村に向かってください!」


 いったい何だろう?そろそろ黒の国の王様を暗殺しようかなぁと思っていたところなのに・・・




大事かと思ったら、村長に就任したユーロ。就任早々モンムス村に勇者たちが押し寄せてきたという情報がもたらされる。果たして、勇者たちの目的は?


次回。勇者たちの目的

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