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いせてん!白黒大戦!  作者: 遊路
第二章 魔王編
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第十三話 魔王現る!




 女勇者と奴隷たちのレベル上げをしておいた。さすがに人数が多いので半年ほどかかった。キャスとハナは魔法を使えるレベルに達したようだ。この村で私についで、キャスとハナとイデアが戦力として不動のものになりつつある。そして、村の女たちのお腹も順調に大きくなっていた。


 折角なので、武具を揃えようと思い王都に買い物に出かけた。すると、モンスターの素材を日雇いギルドに売りに行ったら、魔王が現れたのではないかと噂されていた。


「ユーロさん!良い所に来てくれました」


 買い取り窓口で支払いを待っていると、ギルド長のタカギさんが現れた。


「どうしたんですか?ギルド長直々に来るなんて、またエンシェントドラゴンでも見つかりました?」エンシェントドラゴンはイデアだけだと知ってはいるが聞いてみる。


「いえ。実はですね。王都から西に行ったところに迷宮が出来ていまして・・・」


「・・・ああ。はい」


「実は半年前からそこの調査に向かった者たちが帰ってこず。救助隊を編成して送るも、それも帰ってこないという事態になっていまして・・・」


「・・・。つまり、私に調査をお願いできないかと?」


「はい。救助隊の第二陣を送る前に出来る限りの迷宮の現状を知りたいのです」


「・・・わかりました。それで、期限と報酬は?」


「そうですね。期限は1ヶ月。報酬は最低でも1000万円用意させて頂きましょう」


「1000万円。それはまた、ただの調査にしては高額な」


「それだけ危険なものという認識ですので。ユーロさんも危険だと感じたら、すぐにでも引き上げてください。ほんの少しでも情報を持ち帰ってくれれば報酬は支払いますので・・・」


 王都の西にある迷宮と言うのは完全にうちの村の周りの奴である。いつの間にか、モンスターが増えており、大迷宮扱いされているようだ。そして、その大迷宮の奥には魔王が居るという噂まで上がっているようだ。その噂のせいで、調査依頼を受けてくれる人物がおらず。報酬がどんどん上がって、1000万円と言う調査任務にしては破格の報酬となったようだ。


 王都で武具を購入した後、さっそく村に戻ってみなに渡して、迷宮の調査をする。場合によっては、この迷宮を解体する事も考えている。このままだとこの迷宮が魔王の居城扱いされて、迷宮奥にある我々の村の存在に気が付いてしまうものが出るかも知れない。別に村の存在を知られても構わないのだが、現状だと確実に村は魔王の拠点扱いされそうだ・・・


 魔法の使えるキャスたち3名をリーダーとして、4人3組の隊を編成する。そして、私はひとりで迷宮に入る。迷宮の入り口は東西南北にひとつずつある。そして、それらは繋がっていて、村にたどり着く出口はない。最初から作っていないのだから、当たり前だが。


 なので、本来ならどんなに迷ったとしても、どこかの入口へ出て帰ってこないなどという事は無いはずなのだが・・・


「いったい何が起きているんだ?」


 完全に独り言だが、ひとりで行動するのには慣れている。いつものようにサクッと高速移動をして10分ほどで迷宮の四分の一の探索を終えた。結果としてわかったことが、どうやら迷宮に棲みついているモンスターたちと調査に来た者たちは結婚して生活しているようだ。


 え?何を言っているのかわからない?まあ、確かに普通はありえない事だよなぁ。モンスターと人間の家族連れが仲良く迷宮で暮らしているなんて。


 迷宮に住みついたのはメスのモンスターたちだったのは知っていたのだが、そのモンスターたちに調査に来た男たち。その男たちを救助しに来た者たちが全員モンスターに一目惚れか、何かをしてそのまま一緒に生活しているみたいなのだ。まあ、まだ四分の一だけなので、他の場所ではモンスターに食べられたり、戦いのすえに果てたりした者がいるかも知れないので何とも言えないが。


 とりあえず残りの調査も済ませることにした。キャスたちと迷宮内で合流しながら、すべての探索を終えたのはその日の夜だった。


 結果。やはり、モンスターと夫婦になっていましたよ・・・


 まさか、調査に来た者たちと、救助隊全員がモンスターに惚れて生活していたとは、誰も想像できるわけがない。中にはすでに子供も生まれていて、本当に幸せそうな一家となっていたし・・・


 どうやら、この迷宮に住みついたモンスターたちは、亜人的な見た目の美人が多いようで、ほとんどのものがモンスターを見つけた途端に恋に落ちて、そのままと言った感じだそうだ。本人たちに話を聞いて、調査報告書をまとめたのだが。そのまま報告しても大丈夫なのだろうか?彼らはみな口をそろえて、「幸せに暮らしているからそっとしておいてくれ」と言ってはいるのだが、中には王都に妻や子供を残している者もいるそうなので、そうもいくまい。まあ、危険は無いようなので、今度調査を送るなら、女性限定にすることをお勧めしておけばいいかな?


 でも、このままだと、やはりこの迷宮が魔王の居城扱いされかねない。そうなると、やはり面倒そうなので、迷宮の取り壊しを通達することにした。もちろん、引越し先としては迷宮跡地に新しく村を作るという事で納得してもらうことにした。半分ほど解体して村を作れば大丈夫だろう。幸い、キャスやイデアなど優秀な人材が育ったので、建築速度はかなり上がったと思うので、時間はかからなかった。


 調査期限の1ヶ月を使う事も無く。2週間ほどで迷宮の解体と新しい村の建設が完了した。


 もともと村を守るための壁としての迷宮だったが、優秀な人材が増え、私が留守にしても安心できるようになったので、必要なくなったのだ。放っておくと男を飲みこむ魔の迷宮扱いされそうだし。変なイメージが濃くついてしまっては、イナホ村にも何かしらの影響がありそうだからなぁ。


 王都に戻って、ギルド長のタカギさんに報告をしたら、理解させるのに1時間近くかかった。


 すでに迷宮は無く。跡地にモンスターと男たちの住む村があるので、王都に住む家族で夫や父親を取り戻したい人が居たら、村に交渉に行ってもらうようにした。その際は男性が行くのはしばらくよした方が良いと念を押して。というのも、まだ独身?のモンスターがかなりの数村に居るからだ。規模的には村と言うよりも街クラスの人口なのだが、生活レベルは村と変わらないので、村としているが、もちろんまだ国に認められていない。その辺は、村に住んでいる男たち任せることにしよう。


 自分が蒔いた種とはいえ。ここまで大きくなるとは思わなかったなぁ・・・。モンスターと人間のカップリングとか思いもよらなかったよ・・・


 それから1週間。


 イナホ村はいままでその存在が失われていたのだが、もともと交流の少ない村なので、迷宮を解体した後も、今迄通りの生活が続いた。だが、イナホ村には魔王が住んでいるという噂が王都で広まっている事を新しい奴隷を購入しようと王都に出かけた際に耳にした。どうやら、私の事らしい・・・


 なんでだ?




魔王と呼ばれ始めた主人公。その行く先にはいったい何が待っているのか!?


次回。王都からの使者

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