第十話 ハナの欲望
そろそろ次の章に行かないといけませんねぇ・・・
イナホ村に帰り着くと、キャスとハナが出迎えてくれた。
「「お帰りなさいませ。マスター」」
「ただいま。何か変わりは・・・あるわけないよね」
「いえ。実は迷宮にモンスターが住みつきだしまして」
「え?もう?」
「はい。ただ・・・」
「モンスターのほとんどがメスなの!ぐへへへ」
「メス?オスは?」
「今のところ確認されているのはメスだけです」
「オスなんていらないよ!メスだけで十分です!」
「なんだろう?モンスターってそんなに偏るものなの?」
「いいえ。普通はオスメス同じくらいの比率で住みつくはずです」
「オスをハナが狩ったとかじゃなく?」
「わ、私はやってないよ!そもそもモンスターが住みつくなんて思わないし!」
「モンスターは暗くて、湿度の高い場所を好む傾向がありまして・・・」
「あー。だから、洞窟とか地下迷宮なんかにモンスターがいっぱいいるのかぁ」
「はい。村にはどうやっても入れないようになっているので、特に間引いたりはしていないのですが。メスばかりなら増えることはないとは思いますが・・・」
「マスター。知ってる?この世界のモンスターって、人間と交配できるんだってよ!」
「それは正確ではありません。正しくは、同じ人型であれば交配できます」
「え?と、いうと・・・。ミノタウロスとハナでも?」
「はい。できます」
「いやー!やめてー!そういうのはマスターだけで良いですぅぅぅぅぅ!!」
「それは、この迷宮に来たら人型のオスはもれなくカップル成立するって事になるのかな?」
「おそらくそういうことになるでしょうね・・・」
「はい!はい!何匹か捕まえて飼っても良いですか!?」
「却下!」
「な、なぜに!」
「ハナさん。ペットに対してふしだらな事をしようとしていますよね?」
「絶対するだろ?」
「し、し、心外な!わ、私だって、その。あの・・・。だって、村の女性全員にお断りされたからさ・・・」
「もうすぐ村には子供たちが大勢産まれるんですよ?教育上良く無いものは認めません!」
「そうだね。村の中ではちょっとね・・・」
「はっ!なら、迷宮内なら!?」
「良いけど・・・。相手にされないんじゃない?」
「・・・嫌な事を言わないでください」
「モンスターに手を出すのなら、マスターとの夜伽はしなくてもかまいませんよね?良かった。これで独占できるわ」
「う・・・。それはそれで・・・。わかりました。我慢しますぅー!でも・・・。じゃ、じゃあ!奴隷を買う許可をください!」
「奴隷?ああ、確かに王都でそういう店があったね」
「この世界には獣人が居るんですよ!ケモミミがっ!」
「う~ん。教育上よろしくないからなぁ・・・。村の中に離れた家作って、そこに住むなら許可しようかなぁ・・・」
「うっ!それはそれでなんか、寂しい・・・」
「さすがに同じ屋敷内ではねぇ。別に同性愛を否定するわけじゃないけど、やはり少子化問題を抱えているからねぇ・・・」
「むむむ・・・。あちらを取ろうとしたら、こちらを得ず状態か・・・」
「獣人かぁ。まだ獣人の村はみたことないなぁ。どの辺にあるの?」
「獣人の村は・・・。確か大陸の南のほうにあったと思います」
「マスター!?ま、まさか、私の為に!」
「いやいや。捕まえてこないからね?普通に見てみたいなぁと思っただけで」
「せっかくなら捕まえて来て下さいよー!」
「ダメでしょ!そんな可哀そうな事。そんなに彼女が欲しいなら、娼館にでも行けばいいんじゃないか?王都の勇者も20人くらいハマって、身を滅ぼすコースまっしぐらだったよ。何人かは性病で死んでいるらしいし」
「え!?死んじゃっているんですか!?」
「ああ。まあ、貧民街の娼婦を買った奴らだけだと思うけどね」
「いえ。可能性がゼロじゃないなら、やはり奴隷を買ったほうが安全に・・・」
「じゃあ、ハナ用の家を作るかぁ」
「いや!やっぱり、みんなと離れて暮らすのはなんか寂しい!」
「奴隷を数人買えば?」
「いえ。人数の問題じゃなくて、その・・・」
「マスターと添い寝できなくなりますからねぇ~」
「え?私との添い寝?そんなの別にどうでもないでしょ?」
「いえ。マスター。マスターは自身の魅力を過小評価しております!マスターに抱かれた時のあの安心感・・・。あぁ・・・」なんか、キャスが思い出して身もだえしている。
「確かに。マスターのお腹枕は寝心地が最高だよね・・・」
寝苦しいと思ったら、ハナが腹の上で寝ていたのかよ・・・
「はっ!?マスターが奴隷を飼えば問題解決!?」
「はい?別に奴隷なんていらないよ」
「そうですよ!マスターの奴隷は私とハナで十分です!」
「いや。別に2人の事を奴隷と思ったことはないよ?」
「良いんです!好きで奴隷の立場を選んだのですから!うふふふふふ」
なんか、キャスが怖いです。
「確かに主従関係プレイは良い!」
お前は何を言っているんだ?
「でも、獣人がいれば。モフモフできるんですぜ?」
「うっ・・・。モフモフか・・・」
「もふもふ?なんですかそれ?」
「いいかね。キャス君。モフモフとはね・・・」ハナがキャスにモフモフについて熱く語って説明をする。すると、キャスの目が輝きだした。
「マ、マスター!私も獣人の奴隷を購入することに賛成します!ぜひ、モフモフを導入するべきです!」
「そうだ!モフモフだよ!なんなら、獣人全種類コンプしちゃおう!」
「え?獣人って種類あるの?」
「獣人は犬族と猫族だけですよ?」
「ぬぅ・・・。だがしかし!二大巨頭を押さえているのなら良しとしよう!さあ、マスター!レッツ!モフモフライフ!」
「モフモフライフ!」
なんか、キャスが完全にモフモフ賛成派に・・・。まあ、私も嫌いではない。2人くらいなら増えても問題ないかなぁ・・・
「よし!わかった!獣人奴隷を買いに行きましょう!」
「「やったー!モフモフライフ!モフモフライフ!」」
なんか、かなり喜んでいるなぁ。いったいハナに何を吹き込まれたのだろう・・・
という事で、王都に奴隷を買いに行く事にした。その前に、奴隷を買えるだけのお金を得るために、モンスターを狩ったり、森で薬草などを採ったりして来ないと・・・
次回。「モフモフライフ計画」お楽しみに?