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「いやいやいや、言ったじゃん。前の話の最後に」

ナズナがそう突っ込む。

そうだね。とリリィが答えた。

「いやいやいや、可笑しいじゃん。今の私達の状況」

ナズナが立て続けにそう言った。

そうだね。とリリィが答えた。

ネキアは呑気に夜に、ぽっかりと浮かぶ月を眺めていた。

そう、今は夜も更けた真夜中。アルカロイドは、とある森を颯爽と歩いていたのだった。すると、少し先を歩いていた弓を持った少年が溜息交じりに答えた。

「だから、特例と説明しただろう」












3人がこんな事になっているのは、2日前に遡る。

シトリ先生と学園に帰ると、まず学園長の秘書にネチネチと怒られた。そして次に生徒指導のヒイラギ先生にガンガン怒られた。もう、目の敵にしている程に怒られた。そしてその時に罰を課せられる話になったのだ。最初は一ヶ月間の寮の風呂掃除(大浴場)だったのだが、学園長が笑いながら言った。



「ならば2日後の実践に行きなさい」

カラカラと笑った学園長はとても楽しそうだった。

「貴方たちは外に出たいのでしょう?ならば脱走ではなく戦いに行けばいいのです」

至極真っ当な事を言われた。

「実は2日後に一つ上の先輩のグループ、チーム名をササミと言うのですが彼らが実践に行くのです。ササミは2人で一つのチームなのですが片方が体調不良で行けなくなりました。そこでその1人の代わりに貴方達、3人で力添えをしてきなさい」


ヒイラギ先生が、それは…と渋る。2年生の中に優秀なので既に実践に行っているチームがあるとアルカロイドも小耳に挟んでいた為、さほど驚かなかった。しかし自分達が行くとは思っても居なかったため、3人は目を見開く。学園長は「自分たちの実力を知るのも良い機会ですよ」と笑った。本当はオーク戦をしたのだが、それはシトリ先生とアルカロイドの秘密ごとにしてある。(余計に怒られるから)


3人は先輩もいるし大丈夫だろう、と軽くソレを引き受けた。シトリ先生は「良いんじゃね?」と笑っていた。そして、学園の中で初めて脱走したチームだと噂になっていたアルカロイドはクラスメートに激励を受け(死ぬなよ!、と)。今森の中を歩いているのである。











「いやいや、おかしくない?」

ナズナが言った。

「前回の最後に、こんな戦いはまだまだ先だね!とか笑って良い感じで終わったのに。次の話で既に戦おうとしてるじゃん!」

ナズナは必死に訴える。

しかし、リリィは「そうだね」と最初と同じ調子で答えた。ネキアは「風が気持ちいいね」と笑っている。しかし、本当に困っている。あるいは頭を抱えているのは先輩であった。優秀な彼はアルカロイドを連れて行くより1人で行った方が簡単に実践が終わると思っていた。だから、森の中を歩いている最中、ずっと溜息をついている。彼は先頭をきって歩いていた。






「俺は2年のチームササミのミオーネ。俺の言う事は聞け。無理はするな。お前たちはひたすら死なないように逃げろ」


それだけ、告げて黙りっぱなしだ。

ミオーネは黒髪の男の子だった。ショートの髪。顔は目がきりっとしているのが特徴で。それはヒイラギ先生にも少し似ていた。(ミオーネはストレートの髪質だが)

ミオーネは優秀だ。家柄も代々警察。エリートだ。

アルカロイドが取っ付きにくいなーと思っている頃、ミオーネが口を開いた。




















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