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月の裏側で会いましょう  作者: コウ
アルカロイド
6/12

5






「さて、どうする?」

敵を目前にネキアがリリィとナズナに聞いた。リリィとナズナは同時に答えた。

「「それは誰かの考えに乗って…」」

3人は顔を合わせた。そして表情がみるみる変わる。3人は3人とも誰かが指示をしてくれると思っていた。ので、何も考えていなかった。見切り発車だ。




3人は慌てて作戦会議をしようとした。オークの特徴をおさらいし、チラッと敵陣を覗いてどこに隙があるかを確認した。しかし、3人はまだ実践の授業を受けていない。と、いうか武器を上手く扱う実践練習しかしていないため、戦うための軍法や政治。その他にも軍事など全く知らない。ヤバくない?アルカロイドが誰もがそう思い、一旦外に出ようとした…その時だった。









「さて、そろそろ子供を殺すか。とりあえず塩ずけして余分な毒素はぬかなきゃいけねぇからな」

オークたちはグヒグヒ笑った。

水戸くんの悲痛な叫びが聞こえてくる。

ーー"助けてーーーーー"














バンッ。

銃音が洞窟に響く。オークたちは皆顔を上げてこちらを見た。水戸くんも目を見開いてこちらを見ている。銃口から煙がサラサラと流れていた。銃の持ち主はナズナ。オークが次々と話していく。「何故特殊警察が?!」「まてまて、何故バレた」「殺っちまえ」

ナズナが、もういちど銃を撃つ。それが手前のオークに当たり、絶命する。そしてオークはサラサラと砂になり地面に積もるとキラキラと空気に溶けた。これは夢の住人の末路だ。ファンタジーの世界に帰ったと言われているが…実際は分からない。



オークが水戸くんから離れて、棍棒を振り回しナズナに向かってきた。ナズナはオークが一斉に向かってくる気持ち悪さにゔっ、と唸り動けなくなった。実践をしていないのだから当然である。もう、駄目だ。そう思って目を閉じたとき……ザシュっと言う音が聞こえた。



恐る恐る目を開けると。

そこにはリリィの背中が、その両手には日本刀が2本。一本一本握られていた。夢の住人の砂が刀に絡みついてはパラパラと落ちる。まるで血の代わりのようだ。「肉を切る感覚じゃないわね。これ。プラスチックを切る感覚だわ。新しい発見ね」ハートを語尾につける勢いでリリィは話、笑った。ナズナは胸を撫で下ろす。

「さすが、リリィちゃん」

ナズナも笑い返した。



ほのぼのしていると、水戸くんの、うわぁ!!と言う声が聞こえる。そちらを見ると1匹のオークが水戸くんの襟首を掴み(ニャンコちゃん状態)、今にも棍棒を振り下ろそうとしていた。しかし、棍棒は振り下ろされる事なく水戸くんの目の前でシュワッと消えた。尻餅をついた水戸くんの視線の先には鎌の刃先が。その奥にはネキアが立っていた。ネキアは水戸くんに笑いかける。「聞いた?サクッて音が聞こえたの」水戸くんはポカンとしながら慌てて首を横に振った。









これが、アルカロイドの記念するべき一戦目である。思いっきり見切り発車で、誰が死んでも可笑しくない。そんな戦いだった。










水戸くんを取り戻したアルカロイド。あとは帰るだけだが、生き残っているオークがそれを許さなかった。アルカロイドが半数は倒していたので、残りは4匹。4匹はネキアと水戸くんを殺そうと襲いかかる。ナズナとリリィは咄嗟に反応出来なかった。ネキアは大きな鎌を自分の前に置き盾にした。水戸くんはそんなネキアの後ろにいる。






絶対絶命。アルカロイド終わったわ。

そう誰が思ったとき。カッという響いた音が洞窟中に響き渡り、シュワシュワと夢の住人が倒された音が聞こえる。アルカロイドと水戸くんは目を開けた。するとそこには居たはずのオークが全て居なくなっており、代わりに見慣れた女が立っていた。



















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