2話 模擬戦
「っというワケで、二人とも準備はいい?」
ひょこりと観客席の最前列に出てきて、疑似戦闘ステージ、通称、コロシアムのステージで向かい合って数メートルの開けて立っている私とクリスに行ってくる。
他の生徒はコロシアムと名の通り、ステージを囲むようにある観客席へ座って見守ってる。
これ、この学院の中等部だけじゃなくて高等部の生徒もいるんじゃない?
「ルールは簡単、先に致命となりえる1撃を入れた方の勝ち。今回は新入生ってことで、それ以上はだめ。明日からの学校生活の方が本番だからね、あくまでこれは御前試合みたいなものさ。
じゃ、二人とも、変身して始めていいよ」
と、始まりの合図もなしに、強制的に始めさせられた。
「おーっほっほー。では行きますわ。来たれ――紫電!」
彼女が小さな宝石を手の平に乗せて天に掲げた瞬間、雷鳴がとどろいて青紫色の雷がバチバチと弾けて彼女を包んだ。
光は彼女を隠し、そして消え、出てくる。
その姿は銀の胸宛に短いドレススカート。騎士のようで、パーティーでダンスをする貴婦人のような姿で、左手にはフェンシングのようなサーベルを握っている。
そんな彼女包むかのようにびりびりと蒼紫色の雷が出ており、構えるサーベルが同じく雷を纏う。
「着装完了ですわ。さあ、早くアナタも変身しなさい!」
「あまりはれ物扱いは気が進まないのだがな。いたしかたあるまい。
どれ、いっちょやってみるとしようじゃないか」
いって、右手のひらを開けて前にだし力を込めると、手の平の中心が小さく裂けて血が一滴こぼれだし、それが水銀見みたいな粒になる。
「ん……」
それを私は一飲みした。
「はわぁ~☆」
瞬間、力が爆発するのを感じて光が私から飛び出し、星々が煌めく。
光の中、衣服は真っ白に消え去ってそこから新たしい服へとなる。
それが私を包んで光は弾けた。
変身完了。魔法少女ここに現れる。
光から解き放たれた私は、青白いドレスと宇宙を内側に塗り込んだような全身を覆えるマントのような羽衣を纏っていた。
そして軽く浮いていたのか、真っ白なヒールで着地する。
「さて、ぷに君!」
言って力を使うと、私の目の前に銀色のプ二君が現われた。
「は? ……あははっ、なにそれ、スライム? あはははーー」
「なっ!? キサマ、プ二君を知らんのか。プ二君はファンシーシリーズに出てくる恒例の愛着のあるキャラクターなんだぞ!
まさか、キサマ毎週朝8時から始まるファンシーキュアートを見ていないのか⁉」
「知りませんわ、そんな子供向けアニメ。ワタクシは滝嶋を時代を背負う物。ふざけたお遊びにかまけている暇などないのですわ。
一撃で粉砕してあげる! プライドライト!」
バチバチバチバチ!!
言って、サーベルを着きだすと紫電が私へと飛びだした。
「プ二君!」
プ二―!
プ二君が大きく広がり、雷から私を守る。
「なっ……。このワタクシのスキル、プライドライトの雷を防いだですって!?」
「それだけじゃないぞ。行くんだプ二君!」
プ二君がぽよぽよとバウンドしながら飛んでクリスの元へ特攻する。
「あははっ、バカですの? 遠隔と違い直接の斬撃はその威力は10倍ですのよ。こんなスライム如き一撃ですわ!」
目の前まで飛んだプ二君にサーベルが突き立てられる。
「だろうな。だが、間合いはプ二君も一緒さ。プ二君!」
プ二―!
「なっ!?」
プ二君が白く発光して、同時――
ドゴオオオーン!
大爆発した。
黒い煙が上がりクリスの周囲が煙幕で見えない。
煙が晴れていく
晴れる瞬間ーー
「このっ!」
爆発が直撃したのか、大きくすす汚れのついたアリスが飛び出て真っすぐ特攻してきた。
その体は、紫電を纏っている。
「おお!? プ二君」
「まだ、まだですわよ!」
次いで生成したプ二君にあたる瞬間。
「いいや、そこまでだ」
ガキンッツ!!
アリスのサーベルは見えない何かに弾かれ、彼女はその場に弾かれ止まった。
「なんですの!?」
「ルールは致命的となりえる一撃を入れた方が勝ちだよ」
気づけばパイモンがステージに降りてきていた。
「まだワタクシは立ってますわ! あの程度致命なわけないですわ!」
「いいや、致命だよ。それにそれを決めるのは僕さ。
今はあくまでも入学式、入学早々ケガは流石によくないからね。
それに、今のやり取りで、一年生にはいいデモンストレーションになったみたいだし」
「は?」
「みんなー! 奏演寺 ココの勝ちだ! どうだったかな!」
どわああああああああ!!!!!!!
一斉に会場が湧き上がる。
「というワケさ、なにも求めているのは激しい殺しあいじゃなくて、単なる演出。それでいいんだから。
そにれ、これからの学友同士喧嘩はよくないだろ?」
「そ、そんなの納得できませんわ!」
「まあ、確かに。んじゃ、それは学院ないの学術戦にでもとっておけばいいんじゃない?
あれは、誰が一番強いか決めるっていう、そう言うものだし。
それまで、今度は一度も被弾しないように鍛錬を積むといいさ。
それに、あまりわがまま言うとみんな困っちゃうし。どうだい?」
「……ふんっ!」
変身を解いたアリスがそのままステージを出て行ってしまう。
「キミもいいね?」
「あ~、まあ、それはいいんだが。
なぜとめたんだ? あのまま行けば一撃もらっていたのは私の方だったはずだぞ。
あの距離ではプ二君の生成は間に合わないかっただろうし」
「いや? どうだろ。 それに、キミの本来のスキルはスライムを作る事じゃないだろう?」
「む? スライムじゃないプ二君だ」
「はは……。なんでもいいけど、キミのプ二君はキミの血でできている。そうだろ?」
「そうだが……? どうしてそれを?」
「見れば分かるさ、僕は天使、パイモンだからね。大抵のスキルのことは見れば分かる。
でも、不思議なんだ。
血を操るスキルならなんでそれをそのまま弾丸にしたり、武器にしたり、はたまた盾にしないんだろうって。
ねえ、キミ。もしかして、もう一つスキルを持っているんじゃない?」
「まさか、スキルは一人一つなんだろう? よくわからんよ。
それにプ二君の何がいけない! プ二君は素晴らしいんだぞ! 可愛いんだぞ!
そんじゃそこらの、ただのマスコットと一緒にするんじゃない!」
「そんな話はしてないんだけどな……。
まあいいや、どうやら、キミ自体自覚していないようだね。血を操るだけでプ二君みたいな自立行動する生命が生れるハズないのに」
「は?」
「分かんないならそれはそれでいいよ。今後、見守らせてもらうから」
「え? なに? すとーかー?」
「言い得て妙だね。
うん、すごく僕はキミに関心を持ってる。それに、気になるのはキミと契約した天使。
一体キミは誰と契約したんだい?」
「……。プ二君……」
ドゴオオオーン!
問われ、私はプ二君を生み出しを飛ばすと天使の正面で爆発させた。
小さな煙が出て、それが晴れる
「おーこわいこわい」
現れたパイモンは無傷だった。
「効かんか。すまないがそれは言えない」
「ふーん、言いたくないんだ。
誰だろうね。ラファエルとかガブリエルかな?」
「すまないが、どちらでもないよ」
「となると……というか、そもそも天使じゃないとか……?」
「……詮索はよしてくれ。もう一度爆破されたいのか?」
「あはは。効かないけど、それはこわいこわい」
そこで校長が来た。
「パイモン様。先ほどの爆発大丈夫でしたか?」
「ああ、あの程度大丈夫だよ。
彼女も悪気があってやったわけじゃない。まだ力の使い方に不慣れ見たいのようだし、暴発してしまったみたいだ。
だから、ちょっと使い方を教えていたところさ」
「んっまあ。それは、なんてすばらしい。
ココさん。天使パイモン様にお礼をして」
「あ、ああ。ありがとう……」
不服だが、ここは騒ぎ立てる訳にも行かないので、従うことにした。
「んじゃ、僕は行くね。他の天使たちと今年はどうだったか話し合わないと」
「はい……」
言ってパイモンは光と共にぱたたくまにフラッシュしてその場から消え去った。
「さっ、ココさんも。変身を解除して、クラスでの初めてもホームルームが始まりますよ」
「承知した……」
滝嶋 クリス
12歳 4月25日生まれ。
身長:155
スキル「プライドライト」
サーベルに電気を纏わせる。
破壊力:C
スピード:A
射程距離:E
持続性:B
精密性:A
拡散性:E
付属性:A
干渉性:E




