1話 入学式
入学式
「えー、新入生の皆さまおめでとうございます。ワタシはこの聖レイディアンと学院の好調を務める、鶴裁木アリアと申しまーーー」
どうにか入学式に間に合った私は、よくある詰まらない校長先生(今年で62歳)の話をなんとなくボケーっと聞いていた。
「では、挨拶もこれで終わります。
次に、新入生の皆様には契約の義を取り行ってもらいます。
あなたたちはダンジョンが現われた年に生まれた記念すべき子たち、きっと天子様から素晴らしいスキルを授かるに違いありません。
あなたたちはダンジョンが生れた現代、新たな一ページとなるのです。
それでは、まず天使様どうぞこちら――」
そう言われて壇上の横に校長移動すると、壇上に光がそらから刺す。
そうして、空からふわりと天使の羽を広げて現れたのは……
「みんな~こんにちは~。天使だよ」
猫だった。
いや、猫なのか? ウサギなのか? 真っ白い毛並みに真っ赤な瞳、おでこには赤色の小さな宝石に尻尾は二つ。
猫? ん~ま~よくわかんないけど、かわよ~
「僕の名前はパイモン! みんなよろしくね!」
どわーーーーーーーーーーあ!!!!!!!
かわいいー!
猫がしゃべったー!
周囲の人々がざわめきだす。
「彼女は天使パイモン様。こんなにキュートでかわいらしい姿ですが、これから皆様に素晴らしースキルを授けるとても偉大な方です。皆さま、無礼ななきように」
そう言われて、契約の義が始まった。
「では、始めますが、特になにか難しいことをするわけではありません。
天才様の手にふれ、現れた契約機を手にすればよいのです、 それがアナタ方が魔法少女になった結果で、同時におおいなるスキルを授かります。
レガリアを受け取った方から自身がどう変身すべきで、どんなスキルを得たのか分かるでしょう。
いいですか? スキルとはダンジョン探索に必要なそれぞれ個人に与えられる一人一つの力。それはさまざまで同じものはありません。
まずはそれを自覚するのがこれから探索者そして魔法少女としていくためのアナタ方の最初の役目です。
さっ、順に――」
言われて、順に壇上に上がって天使との契約をしていく。
手を天使合わせた生徒は、光り輝き変身機器であるレガリアが生れる。それは人さまざまであり、コンパクトだったり、ステッキだったり、フィーチャーフォンだったり、さまざま。
「おや? キミはもう契約ずみなんだね」
「ええ。なんてったってワタクシは滝嶋。滝嶋クリスですわ。契約は一人一度ですわよね? なら、いくら学院が誇る大天使であろうと、ワタクシには不要ですわーおーっほっほー」
壇上で順に契約をしてく皆、その流れがある一人止まった。
「ふむ。聞いているよ。ラミエルと契約したんだってね。すごいね、キミ」
「ほーっほっほ。その程度のこと、メガバンク滝嶋としては当然のことですわ。ダンジョンだってもう6年生の時から行ってるのですの」
「そりゃすごい」
「ですから、アナタのような二流天使の契約などど不要なのですわ」
そう、金の髪をドリルのようにツインテールにした彼女は、紫色の瞳を煌びやかせて、高らかに笑って、周りの人間はえ、すごいと尊敬のまなざしが飛んでいる。
そこに校長が続く。
「んっま、それはなんてすばらしい。やはり今年の親友生はすばらしいですわね。
そうです。みなさん、アリスさんのように既に契約している方は居ませんか?」
「おーっほっほ。まさか、ワタクシは特別、天上の花、庶民の中にそんな方は居る訳がありませんわ」
とは言うがな。
「……すまながいが、ひとりじゃないんだこれが」
壇上の列から一人出て、手を上げる。
「なんですの?アナタ」
「私もすでに変身ができる」
「あら~、アナタはたしか音楽家の……」
「先生」
「奏演寺 ココだよ」
さらに一歩踏み出て校長先生を静止させる。
「なんですのアナタ、ワタクシの晴れ舞台の邪魔をして、許しませんわ! 罰金もんですわよ」
「知らんよ。私は呼ばれたから出てきただけだ。そんなことを言われる筋合いはない」
「な、生意気な。いいですわ、でしたら証拠を見せて下さいな、変身、本当にできるのでしょうね。やってみなさい!」
「いや、確かに彼女は契約しているよ」
「なんですって!?」
そう天使が割って入って来た、クリスが驚く。
「キミは……、すごいね。誰との契約だい? 僕にも分からないや」
「べつに、そんな大した相手じゃないよ。それよりも既に契約済みの者はどうしたらいいね」
「ん~まあ特に僕からはすることはないかな。今まで通り力を使ってくれてばそれでいい。探索者。探索魔法少女になってダンジョンから魔物を排除するのが君たちの仕事だからね。
でもあま、そうだ! どうやら他に事前に契約している子もいなさそうだし、二人で模擬戦でもしてみない?」
「ん? それはどういう」
「簡単なことだよ、変身して戦う。なに、簡単なことだよ。ここ僕の結界を張って大抵の怪我は治せる。
だから危険もないし、すでに力を使える君たちなら、これから同士となる学友の手本にもなるだろう?
それにこっちの子は、どうやらやる気満々見たいだよ?」
言われて視線で指されたクリスの方を見れば、確かにやる気満々のようだった。
「おーっほっほー。いいですわ、素晴らしいのはこのワタクシのどこの馬の骨かも分からない平民相手に劣るはずないですもの」
「ということだ。いいよね、学院長」
「んっま、素晴らしい。流石天使様です。では、契約の義が完了次第、皆さま疑似戦闘のステージへ。
という流れで、よくわからんが、私はクリスと模擬試合をすることになった。




