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094-アンドロイド作成の儀

まあ、容姿や性格を決めると言っても、大したことじゃない。

俺は携帯端末のメモを開き、アンドロイドの事前に作った”設定”をもとに、フレンが示したカスタム用アプリで容姿を作っていく。


『茶髪なのですね、多くのお客様は変わった髪色を好まれますが......』

「ええ」


何と言っても、俺自身が桃色だ。

これ以上派手な髪色もないはずだ。

肌色も、白寄りで日本人風に合わせた。

瞳の色は金。


『あまり見ない組み合わせです』

「でしょうね」


ただ、これが一番かわいいと思ったからそうしたまでだ。

ちらりと横を見ると、アルは眠っていた。

彼にとってはあまりに退屈だっただろうな。


「よし」


俺にとっては理想のアンドロイドだ。

栗色の髪と、深い金色の瞳。

髪は長く、体は健康的かつ機動性を重視した細身に。

正直、黒髪の大和撫子や、水色の髪の歌い手風にも憧れはあるが、これがベストだ。

野郎のアンドロイドを選ばない以上は。


『素晴らしい完成度です、どこかでカスタムアプリを触った経験が?』

「いえ、特には」


芸術家志望だった時代があったというだけの話だ。

俺は人体構造をちょっと齧ったから、健康的な肉付きを知っている。

モデリング自体は感覚的にできるようになっていたので、後は流れで、だ。


『戦闘にもご利用との事でしたが、これであればこちらで調整せずとも戦闘に利用できますね』

「そうですか」


アンドロイドは、基本的にこめかみの部分にアンテナを兼ねる端末が付いているので、髪があるとうまく隠れるらしい。

戦闘時に、対アンドロイド戦に慣れた人間だと、そこを狙ってくるそうだ。


『それから、ご要望の指揮能力ですが、既に組み込まれていますので大丈夫だそうです。 アクツールはベラトリシャイア500シリーズ.....戦闘型アンドロイドからのフレームの流用があるため、ある程度の戦闘が出来るようになっています』

「ありがとうございます、それを聞いて安心しました」


アンドロイド界隈は全体的に煮詰まっているらしく、高性能化と前世代との差別化に苦しんでいるために、復古的なシリーズの価値が高く、最新型にはあまり人が寄らないようだ。

無論傭兵はそれを気にしないのだが、らしいと言えばらしいな。


『アンドロイドは、貴方や貴方の家族にとって望ましい存在になります。ですが、人格を持ち思考する存在である事は忘れないようにしてくださいね』

「ええ」


フレンはそう言うと、俺のデザイン案を提出した。

これで、発注に必要な書類はそろった。


『使い捨てにされるのは、ドローンだけで充分です。貴方がそんな事をしないと信じたいのですが.......近年そう言った事件は増加傾向にあります。私は本社より、釘を刺せとの指示を受けていますので、悪しからず』

「分かりました、ご忠告ありがとうございます」


言われなくとも、そんなことするわけがない。

例え人として見ていなくとも、モノに当たるのは最低の行為だからな。

俺はアルを起こして、帰る準備をするのであった。


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