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093-『ハブ・コム』

総合ショッピングステーションは物凄い混みようだった。

地球でのショッピングモールと同じようなものだ。

人混みをかき分けつつ、俺たちは目的の場所へ。

そこは「ハブ・コム(以降ハブコム)」、アンドロイド専門のコーポレーションの直営店だ。

受付にはアンドロイドが立っていた。

作業用の通常アンドロイドと違って、人間そっくりに作られている。


『いらっしゃいませ、ハブコムへようこそ』

「カスタムアンドロイドを買いたいんだけど、見積もり...出来たら今日中に発注したい」

『分かりました、奥へどうぞ』


アンドロイドに案内され、俺たちは奥へと進む。

店内には、様々な種類のアンドロイドの外装ボディが展示されている。

人に極限まで近づけたモデルから、レトロフューチャーな非効率なデザインまで存在し、その用途も愛玩、サポート、介護、そして――――性行為目的まで。

勿論アルの教育に悪すぎるので、また表沙汰にする気も無いようで、最後の目的のアンドロイドの展示はなかった。


『すぐに係の者が参りますので』


俺たちは白い部屋に通される。

受付アンドロイドはそう言うと去っていく。

十秒も経たずに、今度はOL風のアンドロイドが現れた。

今まで俺たちが出会ったのが宇宙戦争で言う「ドロイド」なら、彼女たちはまさに想像されるような「アンドロイド」だ。


『お待たせいたしました、私はハブ・コム所属アンドロイド「フレン」です』


差し出されたのは、お茶の缶二つ。

俺は受け取り、アルはその場で開けて飲み始めた。


『本日はアンドロイド購入の見積もり・発注であるとの事でしたが....アンドロイドについてどの程度ご存知ですか?』

「広く普及していて、集合意識からの分離型と自律型の二種類がいる程度しか.....」


俺が知っているのはここまでだ。

後は情報としての価値を持たないノイズくらいの認識だな。


『概ね合っています。ただし、人格搭載型のアンドロイドを扱う際には、法的に拘束されることはご存知ですか?』

「いや、知りませんでした」

『目的から大きく逸脱したり、製造メーカーに確認を取らない違法改造を行った場合、ケースにもよりますが罰金刑から懲役刑に課される場合があります』


なるほど。

確かにそれは知らないとマズイな。

といっても、目的から大きく逸脱というのは、「アンドロイドの人権」と呼ばれる法律が存在し、その中で対等に扱わなかった場合の話らしい。


『それから、当店をご利用されて知ったかと思われますが、アンドロイドには外見をカスタムできるタイプが存在します。お値段は量産型に比べて高価ですが.....』

「ええ、今回はそちらを選ぶ予定でした」


仲間を、家族を、友人を、迎え入れるのだ。

妥協はしない。


『でしたら、お話は速いですね。どちらのタイプになさいますか?』

「どちらの....?」

『アクツール452、プレシャーロ、ダイナハイアとございます、アンドロイドの全体的な仕上がりの違いですね、それぞれのメリットを説明させていただきます』


説明を受けた限りでは、俺はアクツール452タイプに惹かれた。

プレシャーロはアニメ風、ダイナハイアはより人形のような精巧さを追求したモデルだという。

アクツールは、人間に寄せつつ従来のカスタムアンドロイドの思想である汎用性を重視した無骨なものになるのだとか。


『傭兵の方々はアクツールをお選びになりますね』

「じゃあ、そちらで」


今回アンドロイドを購入する目的は、決して愛玩目的などではない。

だからこそ、汎用性は俺の望むところだ。


『アクツールは用途に応じてパーツがあるため、初回購入時にそれらを購入する事も出来ますが、どうされますか?』

「お願いします」


というわけで、どうにか見積もりにはこぎつけそうだ。

自作パソコンをやるときもそうだが、どれくらいかかるか分からない状態で見積もりを進めるほど不安な事もないな。


『では、最後に.....お見積りを出す前に、していただくことがあります』

「はい、何でしょうか?」

『アンドロイドの性格、姿を貴方が選ぶのです』

「.....!」


それはそうだ。

だって、カスタムアンドロイドだからな。

容姿は俺がカスタマイズする。

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