083-就寝
というわけで、オリオンに戻ってきた。
色々知識を得たので、早々に眠ってしまったアルを置いてオリオンの艦内を探索することにした。
「なんだかんだで、行ったことない場所が多いんだよな」
俺は機関室に向かう。
今まで一度も行ったことがない場所だ。
中は......
「意外と広いな」
エンジンルームだが、一度も面倒を見ていないのに稼働を続けている。
自己メンテナンスは出来ているが、一度どこかで修理をするべきだろうな。
「戦闘型イクシロン、ヴァリアブル・ドライブ.....か」
イクシロン連邦製のヴァリアブル・ドライブ....つまり、水素燃料のハイブリッド機関だ。
この世界で修理できるかは分からないが、一応設計図が艦内にあるので修復は可能だと思う。
そして......
「やはり、ワープドライブはないか」
オリオンの機関室に、ワープドライブは存在していなかった。
ワープブースターらしき装置はあったが、二つの大型の筒だけだ。
あの形状の装置はどこにもなかった。
根本的にワープの仕様が異なるんだろうな。
「会議室も使った事ないしな」
会議室は居住区に並行するように四部屋あるのだが、一度も使ったことがない。
これから使うかもしれないが......
「シールドルームはここか」
シールドセルの製造、装填、再装填は全部自動で行われる。
だから、俺はここに来たことがない。
よくよく考えたら、なんで炭素化合物であんなふざけたシールドが張れるんだ?
ドツボに嵌りそうだったので、急いでシールドルームを後にする。
「普段はこうなってるのか」
兵装収納ベイにも行ってみる。
普段はコンシールドに隠されているが、メンテナンス用にこうやって格納されている。
まともに見たことが無いので、新鮮だ。
「.......お前がオリオンを守ってくれてるんだな」
砲身は一つしかない。
昔の宇宙戦艦アニメでよく見る、二連装、三連装式ではないようだ。
まあ、輸送艦だからな.....結局。
「艦外の装備は充実してるんだがな」
白兵戦を想定しているわけじゃないが.....
俺は自分の腰を見た。
今吊っているレーザーガンはグリップが成人男性用で大きすぎるうえ、重すぎる。
転移して来た時から持っているものだが、俺には合わない。
合う装備を買わないとならない。
最新鋭技術の集まるインナーリウムなら、俺に合うものも見つかるかもしれない。
「よし、寝るか」
明日はアイネマンプライムの観光だ。
長くなるだろうし、それに備えて寝てしまう事にした。
部屋に戻る。
そして、殺風景な自室を改めて見る。
「......こんなに何もなかったか?」
そうだ。
俺は殆どをブリッジで過ごすから、ここでは寝るだけなのだ。
「まあ、それでもいいんだが」
ブリッジで過ごす時間が一番長いなら、ブリッジを飾ればいいんだ。
俺はそう考えて、ベッドに寝転がるのだった。
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