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065-Piece of Break and Cake.

さて、場面はワープ中となるわけだが。

整理券番号9060〜9160に含まれる百隻が一斉にワープしたのだ。

ワープ先は、ダズ・ノクティア星系のゲート前3400kmの地点。

一応3時間待ちらしいが、果たして...


「というわけで、今日はお菓子を作ろうと思う」

「なんで?」

「お腹に溜まりそうなのがレーション以外だとお菓子の材料しかないから」


ワープ終了まで10時間もある。

だったら、お菓子でも作ったほうが有意義な時間の使い方だと俺は思う。

既に型紙を作ってあるので、あとは色々やるだけだ。

まずは取り出したる卵を割って...割って...くそっ、うまく行かない。

しょうがないので、割り入れてから菜箸で殻だけを取り除く。


「リリーさんって、意外と不器用...」

「余計なお世話っ」


それが終わったらグラニュー糖と一緒に軽く混ぜる。

そして、湯を張った桶に入れて湯煎する。


「湯煎すると何か変わるの?」

「私は知らないよ?」


料理は科学だ。

つまり、わからない。

ハンドミキサーでかき混ぜて、粘度が張り付くようなレベルになるまでそれを続ける。

アルは退屈したらしく、厨房のデスクに座って居た。

俺は続けて、薄力粉を書いてあった分だけそれに振るう。

それが終わったら、へらで混ぜる。

手袋をしてて正解だったな、めちゃくちゃ手にくっつく。


「なんでバターも牛乳もあるんだろうねえ」


牛乳に少量のバターを溶かしてかき混ぜて、ボウルに入れる。

それが終わったらちょっと混ぜて、型に入れる。


「もうすぐできるよー」

「うん!」


型に入れたらオーブンに入れて終わり。

悪いが、上にこだわる気は無いのだ。

焼き上げの工程はオートなので、果報は寝て待てというわけだ。

出来上がったケーキの生地に、適当にホイップクリームをかけてアルと食べた。

決して美味いものではなかった。

この辺は俺が雑なせいだろうな。

次はもっと色々測って作ろう。




「すごい数だ...」

「船の列なんて、僕初めて見る...!」


オリオンがワープアウトすると、そこは艦列の最後尾だった。

ゲートに向けて、魚群のように船が並んでいる。

1km毎に間隔を開けて、32の列がそこにあるのだ。

そして、それを包囲するのは夥しい数の艦艇。

おそらくダズ・リベラ星系の全戦力の三分の一がここに居るのだろう。


「指示が来た、微速前進だってさ」

「何時間待ちなんだろう...?」

「事前だと3時間待ちってことになってるね、もっと早いかもだけど」


厳戒態勢だ。

流石にダズ・リベラ星系は人口密集地でもある。

ここに宇宙怪獣が突っ込んで来ればそれこそ大惨事になる。

だからこそのこの厳重さなのだろうな。


「プラド、ゲート前に到着しました。これから待ち時間です」

『了解だ、皆は今シャワーの順番を待ってる』


本当は浴室の使用を提案しても良かったんだが、プラドが断った。

男女それぞれで分かれてるから、遠慮する必要はないんだがな...。

採掘艦といえども、居住性はあるらしく、狭い部屋で複数人で寝泊まりし、シャワーは交代、食事はブリッジで全員でだそうだ。

ちょっと同情するが、余計なトラブルは避けたいというのがリーダーのプラドの考え方だ。

それは、尊重したい。

そういうわけで、あと2ジャンプ耐えてもらおう。

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